「朝7時に集まって、全員で歌を歌う」。倫理法人会のモーニングセミナーをお調べになって、この一行で手が止まった方もいらっしゃるのではないでしょうか。正直なところ、少し身構えますよね。私たち編集部の一員も、初めて会場に立った朝は同じ気持ちでした。
先にお答えします。開会直後に歌うのは倫理法人会の歌です。曲は「夢かぎりなく」と「夢はてしなく」の2曲あり、湯島では偶数月と奇数月で歌い分けています。どちらも3番まであり、長さは2分半ほど。信仰の対象ではなく、会の開会を告げる合図にあたります。
歌詞カードは会場で配られますので、覚えていく必要はありません。公開音源も埋め込みました。この場で2曲とも聴いていただけます。
まず、この歌の基本情報だけを一覧にしました。
30秒でわかる「倫理法人会の歌」
出典:倫理研究所の公表データ・2026年9月時点
| 曲名 | 夢かぎりなくと夢はてしなくの2曲です。 |
|---|---|
| 湯島の歌い分け | 偶数月は夢かぎりなく。奇数月は夢はてしなくです。 |
| 作詞 | 丸山敏秋。2曲とも同じ作者です。 |
| 作編曲 | 小野崎孝輔。こちらも2曲とも同じです。 |
| 長さ | 約2分半。公開音源の収録時間です。 |
| 構成 | 3番まで。番ごとに景色が変わります。 |
| 歌う場面 | 開会の直後。湯島では7:00です。 |
| 歌詞カード | 会場で配ります。手ぶらで大丈夫です。 |
| 歌わない自由 | あります。声を出さない方もいます。 |
出典:一般社団法人倫理研究所の公表データ、および各地の倫理法人会の公式チャンネル公開音源。いずれも2026年9月時点。
朝7時、いきなり歌が始まります
倫理法人会のモーニングセミナーは、開会と同時に会歌斉唱で始まります。時間にして2分半ほど。初めてご参加の方が、いちばん驚かれる場面です。
驚くのは全員が通ってきた道でして、戸惑っていること自体は誰にも気づかれていません。歌詞カードが配られ、周りの方の視線はそれと前方へ向くはずです。隣に立ったゲストの口元を観察している人は、まずいないものです。ここは安心していただける部分ではないでしょうか。まずは、あの数分間で実際に何が起きているのかを、正直にご説明させてください。読み終える頃には、朝の風景が少し具体的になっているはずです。
初参加の方が固まるのは、だいたいこの一分間
7:00に開会が告げられ、全員が立ち上がり、伴奏が流れ始めます。ここで身を固くされる方は少なくありません。私たち編集部の一員も、最初の朝は歌詞カードを目で追うだけで精いっぱいでした。
固まってしまう理由は、はっきりしたものです。知らない歌を、知らない人たちと、いきなり歌うからです。カラオケでも、初対面の相手の前では緊張しますよね。それが朝7時に、しかも全員が正面を向いた状態で起こる。戸惑って当然の状況ではないでしょうか。
ただ、この緊張は初回だけのものです。メロディを一度聞いてしまえば、二度目の朝には景色が変わります。伴奏が流れ始めた瞬間に「ああ、この曲か」と思い出せる。それだけで、体のこわばりはずいぶんほどけていきます。
なお、開会前の6:30からは朝礼も行っています。そちらから参加される方もいれば、7:00に間に合うよう会場入りされる方もいらっしゃる。どちらの入り方でも構いません。
歌詞カードは配られます。覚えていく必要はありません
会場では歌詞カードが配られます。事前に暗記していく必要はありませんし、下調べをしてこなかったことで気まずくなる場面もありません。初めての方は、全員が同じ状態からの出発です。
湯島倫理法人会でも、受付でお名前を伺い、資料をお渡ししてから席へご案内する流れです。持ち物は特にありません。手ぶらでお越しいただいて大丈夫です。名刺だけ数枚あると、終了後の朝食会で役に立ちます。
歌詞カードは、斉唱が終われば手元に置いておくだけのものになります。回収されることもなければ、返却を求められることもない。読みながら歌って構いませんし、目で追うだけでも構いません。当日の全体像はモーニングセミナーの参加方法をまとめた記事にも書きました。
口が動いていない人も、実はけっこういます
これは書いてよいものか、少し迷いました。率直にお伝えします。会場には、声を出していない方もいらっしゃいます。初参加のゲストの方に限りません。会員でも、喉の調子が悪い日はそうです。
歌唱を確認する係はいません。採点もありません。歌えたかどうかで、その後の朝食会での扱いが変わることもない。参加の条件に「歌えること」は入っていない、とご理解いただければ十分ではないでしょうか。
立って、歌詞カードを持って、2分半その場にいる。初日はそれで満点です。もっと言えば、座ったままの方を無理に立たせる場面もありません。体調やお気持ちに合わせて、無理のない形でお過ごしいただけたらと考えています。
倫理法人会の歌は2曲——誰がつくり、いつ歌うのか
倫理法人会の歌は「夢かぎりなく」と「夢はてしなく」の2曲です。作詞は倫理研究所の丸山敏秋理事長、作編曲は小野崎孝輔。どちらも3番まであり、2分半ほどの歌です。
歌う場面は、モーニングセミナーの開会直後です。全国の会場で共通のプログラムとして置かれており、湯島倫理法人会でも同じ位置です。会員だけの秘密の歌ではなく、各地の倫理法人会が公式チャンネルで音源を公開しています。誰でも事前に聞ける状態にある、という点は先にお伝えしておきたいところです。ここから、事実の部分だけを順に並べていきます。
作詞は倫理研究所の理事長、作曲は東京藝大出身の作曲家
作詞を手がけたのは、一般社団法人倫理研究所の丸山敏秋理事長です。公開データによると、1996年に理事長へ就任し、現在まで務めています。倫理運動を始めた丸山敏雄の孫にあたる方です。
そして作曲は小野崎孝輔(おのざき こうすけ)。ここが、いちばん面白いところでした。公開されている経歴データによると、1931年に秋田県で生まれ、1954年に東京藝術大学の楽理科を卒業しています。楽理科とは、音楽そのものを研究する学科のこと。演奏家ではなく、音楽の理論や歴史を専門に学ぶ課程です。
小野崎はヤマハ世界歌謡祭の音楽監督と指揮を、20年にわたって務めました。吹奏楽の定番シリーズ「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」の初期編曲も手がけています。読売日本交響楽団や新日本フィルハーモニー交響楽団との仕事も残しました。
つまり、日本の商業音楽とクラシックの両方を知り尽くしたプロが書いた曲です。「怪しい団体の内輪の歌」を想像していた方には、少し意外な事実ではないでしょうか。
- 一般社団法人倫理研究所 理事長
- 1996年に理事長へ就任し、現在まで務める
- 倫理運動を始めた丸山敏雄の孫にあたる
- 姉妹曲「夢はてしなく」の作詞も担当
- 1931年 秋田県生まれの作曲家・編曲家
- 1954年 東京藝術大学 楽理科を卒業
- ヤマハ世界歌謡祭の音楽監督を20年務める
- 吹奏楽シリーズ「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」初期編曲
長さは2分半ほど。3番まであります
歌そのものは短めです。各地の倫理法人会が、公式YouTubeチャンネルで音源を公開しています。収録時間はいずれも2分25秒から27秒の範囲です。京都伏見倫理法人会が公開している音源もその一つになります。
朝7時から8時までの60分のうち、歌が占めるのは2分半だけです。残りの56分は会長挨拶、会員スピーチ、そしてその日の講話に充てられます。セミナーの大半は「聞く時間」という点は、先に知っておいていただきたいところです。
歌の全体像を先に聞いておきたい方は、当日の朝までに一度再生してみてください。メロディを知っているだけで、会場での緊張はずいぶん違ってきます。予習というより、地図を見てから出かける感覚に近いものです。
歌は2曲。湯島は偶数月と奇数月で歌い分けます
あまり知られていないのですが、倫理法人会の歌は2曲あります。「夢かぎりなく」と「夢はてしなく」。どちらも作詞は丸山敏秋、作編曲は小野崎孝輔で、長さも構成もほぼ同じ姉妹曲です。
湯島倫理法人会では、この2曲を月替わりで歌っています。偶数月は「夢かぎりなく」、奇数月は「夢はてしなく」。月が変わると、朝いちばんに流れるメロディごと入れ替わる仕組みです。
歌い分けがあるおかげで、通っているうちに自然と2曲とも耳に入ってきます。片方だけを毎週繰り返すより、飽きがきません。単会によって運用は異なりますので、他の会場のことはその会場の式次第でお確かめください。
さらに、倫理頌歌「日本創生の詩」という別の歌もあります。こちらは作詞が鈴木満里子、作曲は同じく小野崎孝輔です。いずれも各地の倫理法人会の公式チャンネルで公開されており、聞き比べてみるとなかなか楽しい時間になります。
月曜の朝、全国約770ヵ所でほぼ同じ歌が流れています
倫理研究所の公表データによると、経営者モーニングセミナーの会場は全国約770ヵ所です。毎週1回、早朝の開催です。参加する会員企業は全国で75,000社。海外では台湾、アメリカ、ブラジルにも拠点を持ちます。
湯島倫理法人会は毎週月曜の開催です。同じ月曜の朝に、日本中の何百という会場で、同じ2分半が鳴っている。この事実を知ったとき、私たち編集部は少し笑ってしまいました。壮大なのか、のどかなのか、判断に迷う光景です。
儀式めいた話ではなく、全国共通のプログラムが週に一度動いている、というだけの話にすぎません。全国大会のような特別な日に限った演出でもなく、毎週の定型として置かれている。この「毎週やっている」という平凡さが、かえって安心材料になるのではと感じています。
「歌詞がいいんだよね」と言われる理由を、2曲の景色から
会員の方とお話ししていて、最も多く出てくる感想が「歌詞がいいんだよね」です。2曲とも3番まであり、番ごとに視点が動きます。
面白いのは、2曲で動く方向が逆になっている点です。「夢かぎりなく」は大きな景色から始まり、手の届く距離まで下りてきます。「夢はてしなく」は身近な出会いから始まり、地球規模まで広がっていく。湯島では月替わりで歌いますので、月が変わると朝の景色ごと入れ替わります。なお歌詞そのものは著作物にあたりますので、本記事では引用を控えます。どんな景色が歌われているのか、その輪郭だけをご紹介します。
「夢かぎりなく」——太陽から始まり、父母に着地します
偶数月に歌うのがこちらです。1番で歌われているのは、朝の光と、そこにつながる自分のいのち。宇宙の側から人間を眺めるような、視野の広い歌詞です。
朝7時に歌う歌としては、なかなか気が利いた設計ではないでしょうか。会場の窓の外は、ちょうど明るくなり始めた時間帯。歌詞の景色と、窓の外の景色が重なります。経営者にとって月曜の朝は、少し憂鬱になりやすい時間ではないでしょうか。先週の未解決事項を抱えたまま迎える朝は、私たちにも覚えがあります。
2番では視点が下りてきて、これからのこの国と、そこでつながる仲間のことが歌われます。企業経営は、その土地の景気や人の流れと切り離せません。湯島や文京区という地域で商売をしている以上、自分の会社は地域の一部でもあります。
そして3番で、視点は最も近い場所に着地します。人の喜びを自分の喜びとして受け取る姿勢と、自分の根っこにあたる父母のこと。ここでぐっとくる、という方が実に多くいらっしゃいます。経営者は、会社では最終決定者です。誰かの子どもとして扱われる時間は、ほとんど残っていません。その方が朝7時に、親のことを歌う。役割を一枚脱ぐ時間になっている、という見方もできそうです。
実際に聴いていただくのが、いちばん早いところです。京都伏見倫理法人会が公開している音源を、こちらに置いておきます。
倫理法人会の歌「夢かぎりなく」湯島では偶数月の朝に歌います / 約2分26秒
出典:京都伏見倫理法人会 公式YouTubeチャンネル
「夢はてしなく」——出会いから始まり、地球へ広がります
奇数月に歌うのがこちらです。1番で歌われるのは、縁あって出会った人たちと、そこで生まれる笑顔。守りたい相手のこと、と言い換えてもよさそうです。
いきなり太陽から入る「夢かぎりなく」に対して、こちらは手の届く距離から始まります。同じ7時の会場で、まったく違う入口が用意されている。奇数月の朝は、こちらの景色で一日が動き出します。
2番では、島国の歴史と、そこに広がっていく絆が歌われます。自分たちの使命という言葉が出てくるのも、この番です。仕事を通じて社会と関わっている実感が、朝いちばんに戻ってくる箇所ではないでしょうか。
そして3番で、視点は一気に宇宙まで引きます。宇宙から見た青い星と、いのちを育む自然。そして、次の世代へ受け継いでいくもの。狭くなっていた視野が、無理なく開いていく感覚があります。前の月とは逆向きに、景色がどんどん広がっていく構成です。
こちらも音源を置いておきます。続けて聴くと、2曲の性格の違いがよく分かります。
倫理法人会の歌「夢はてしなく」湯島では奇数月の朝に歌います / 約2分26秒
出典:京都伏見倫理法人会 公式YouTubeチャンネル
2曲を並べると、朝の景色が入れ替わります
「夢かぎりなく」は宇宙から親へ、「夢はてしなく」は家族から地球へ。同じ作詞者と作編曲者の姉妹曲でありながら、視点の動く向きが逆になっています。この対比に気づくと、月替わりの歌い分けが急に面白くなります。
歌詞を書いたのが研究者でもある理事長という点は、ここに表れていると感じています。標語のような言い切りではなく、風景を描く言葉が選ばれました。説教されている感じがしない、と話す会員もいらっしゃいます。
2分半でこの距離を移動する構成が、「歌詞がいいんだよね」の正体だと私たちは受け止めています。ご自身の耳で確かめていただくのが、いちばん早い道ではないでしょうか。偶数月と奇数月の両方に足を運んでいただけたら、違いがよく分かります。
なぜ朝いちばんに、わざわざ声をそろえるのか
声をそろえて歌う行為には、進行上の合図という役割だけでなく、体の側にも起きていることがあります。眠っていた体を起こす働きも見込めるでしょう。
「別に歌わなくてもいいのでは」というご意見は、もっともだと感じています。そのうえで、この2分半が全国で続いている理由をご説明します。合唱について報告された研究データと、朝の会場で私たちが実際に感じていること。その両方から見ていくと、輪郭がはっきりしてきます。精神論の話ではありません。
歌には、場の空気を物理的に動かす面がありそうです。朝いちばんに置かれている理由も、そのあたりに関わっていると受け止めています。ここでは3つの角度から見ていきます。
呼吸がそろうと、心拍のゆらぎまでそろうという研究
興味深い報告が、合唱の研究に残されています。スウェーデンのイェーテボリ大学のチームが2013年に発表した論文です。学術誌 Frontiers in Psychology の公開データとして、誰でも読めます。
内容はこうです。合唱では歌の構造が呼吸のパターンを決め、その結果として歌い手同士の心拍変動が同調していく。歌は、普段の呼吸よりもゆっくりした息づかいを要求します。そのゆっくりした呼吸は、心臓の動きにも及ぶそうです。
呼吸と心拍が連動する現象は「呼吸性洞性不整脈」と呼ばれ、落ち着いた状態と結びつくことが知られています。詳しくは論文の原文をご覧ください。
みんなで歌うと妙に落ち着くのは、気のせいだけではないという話になります。初対面同士が並んでいる朝の会場が、2分半でわずかにほぐれる。この現象には、それなりの裏づけがありそうです。
寝ぼけた体が、2分半で起きてくれる
もっと素朴な効用も見逃せません。声を出すと、目が覚めます。
朝6時台に起きて会場へ向かうと、席に着いた時点ではまだ半分眠っています。その状態でいきなり講話が始まると、最初の10分は頭に入りません。実際、そういう朝を私たちも経験してきました。
立って、息を吸って、2分半声を出す。それだけで体温が上がり、頭が起動します。会歌斉唱が開会の直後に置かれているのは、進行上とても合理的な配置だと感じています。準備運動のようなものです。
朝の空気づくりという意味では、朝の挨拶についてまとめた記事でも近い話を書きました。声をそろえる行為が場に何をもたらすのか、あわせてご覧いただけたら嬉しく存じます。
初対面の人と「いきなり同じことをする」という近道
もう一つ、見落とされがちな効用を挙げます。知らない人同士が、同じ動作を同時にするという点です。
朝食会でいきなり名刺交換から入るより、すでに一緒に歌った相手のほうが話しかけやすい。この感覚を語る参加者は多いようです。スポーツ観戦で隣の人と応援歌を歌ったあと、なんとなく打ち解けている。あの感じに近いものです。
倫理法人会が大切にしている姿勢の一つに、明朗(ほがらか)という言葉があります。朝いちばんに全員で声を出す時間は、その入り口として置かれているのでしょう。気持ちを整えてから、人と会う。順番としては、理にかなっていそうです。
「宗教っぽい」と感じた方へ——歌は開会の合図です
会歌の斉唱は、会の開会を告げる進行の一部です。位置づけとしては校歌や社歌に近く、信仰の対象に向けたものではありません。
朝早く集まって全員で歌うという光景が独特に映ることは、私たちもよく分かっています。実際、初めての朝に少し身構えたという声は珍しくありません。誤解をほどくには、他の「みんなで歌う場面」と並べてみるのが早道ではないでしょうか。学校でも会社でも球場でも、人は集まると歌ってきました。倫理法人会だけが特別なわけではない、という話をここでご説明します。
| 種類 | いつ歌うか | 目的 | 歌わない自由 | 信仰の対象 |
|---|---|---|---|---|
| 校歌 | 入学式・卒業式・始業式 | 学校への帰属を確かめる | あり | ではない |
| 社歌 | 入社式・創立記念式典・朝礼 | 会社の姿勢を共有する | あり | ではない |
| スポーツの応援歌 | 試合中・得点の場面 | 気持ちをそろえる | あり | ではない |
| 倫理法人会の会歌 | モーニングセミナーの開会直後 | 開会の合図・場を整える | あり | ではない |
校歌・社歌・応援歌と、置かれている位置は同じです
入学式で校歌を歌うとき、そこに信仰はありません。創立記念式典で社歌を歌う会社も、宗教活動をしているわけではない。球場で応援歌を歌う観客も同様です。集団が何かを始めるとき、歌で区切りをつける習慣が、日本の組織文化には広く残っています。
倫理法人会の会歌も、この列に並びます。7:00の開会と同時に歌い、7:10には会長挨拶へ移る。式次第上の一項目にすぎません。会の進行全体については式次第と各プログラムの意味をまとめた記事で詳しくご説明しています。
運営母体である一般社団法人倫理研究所は、宗教法人ではありません。この点は宗教なのかという疑問に答えた記事で、法人格の面から整理しました。あわせてお読みいただくと、輪郭がよりはっきりしてきます。
歌わなくても、誰にも何も言われません
念のため、もう一度書いておきます。歌わない自由があります。
入会の条件にも、参加の条件にも、歌唱は含まれていません。声を出さずに立っているだけの方を注意する決まりもありません。そもそも、朝の会場でそこまで他人を見ている余裕のある人は少ないものです。
「歌わされる」のではなく「歌ってもよい」。この一語の違いが伝わると、印象はずいぶん変わってくるはずです。強制された記憶は残りますが、選んだ記憶は残り方が違います。だからこそ、無理に合わせていただく必要はないと考えています。
歌詞カードを持ったまま、周りの様子を眺めていただくのも一つの過ごし方です。二度目の朝に歌いたくなったら、そのとき声を出せば十分ではないでしょうか。
戸惑いは、二度目からほどけていくことが多いようです
初日に戸惑うのは、ほとんどの方が通る道です。私たち編集部の一員も、初回は歌詞カードを目で追うだけで終わりました。二度目からはメロディが分かっているぶん、周囲を見る余裕が生まれます。
「怪しい」と感じた気持ちを、そのまま持っていらしても誰も困りません。むしろ、疑いながら来て、疑いながら朝食会でしゃべって帰る。そんな方が結果的に長く続いていたりもします。
同じ入り口に立った方の声はよくある誤解と朝の実際をまとめた記事にも集めました。判断は、ご自身の目で見てからで遅くありません。
つい口ずさんでしまう、という現象について
しばらく通っていると、月曜以外の日にふと鼻歌になっている。この現象を語る会員は、少なくありません。
名曲だから、という理由だけではなさそうです。週に一度、決まった時刻に、同じ姿勢で歌う。この反復が、記憶の残り方を変えていると感じています。覚えようとしていないのに残る歌について、少しだけ考えてみましょう。
歌が残るとき、そこには歌以外のものも一緒にくっついてきます。その日の講話や、会場の空気や、隣に立った方の顔。そういったものがひとまとめで保存されていく感覚です。そのあたりが、この現象の面白いところではないでしょうか。
覚えようとしていないのに、なぜか残る
暗記しようと構えた歌詞は、意外と抜けていきます。反対に、毎週同じ場面で耳にした歌は、いつのまにか口をついて出るようになる。学生時代の校歌が今でも歌えるのと、同じ仕組みです。
メロディと、朝の会場の空気と、その日の講話がひとかたまりで記憶される。これが反復の効きどころです。歌だけが独立して残るのではなく、月曜の朝ごと保存されていく感覚があります。
ですので、初めての方が歌詞を覚えられないのは当たり前です。覚えるのは目的ではなく、通った結果にすぎません。焦って予習していただく必要は、まったくないと考えています。
うまくいかない朝ほど、効いてくることがあります
経営をしていると、気持ちが下を向いたまま月曜を迎える日があります。数字が届かなかった週の翌朝は、正直なところ会場へ向かう足も重くなります。
そういう朝に、いきなりスケールの大きな歌詞を歌う。落ち込みが消えるわけではありませんが、視野が一段広がる感覚は確かにあります。私たちも、そういう月曜を何度か経験してきました。
歌がすべてを解決するとは書けません。ただ、下を向いたままの状態から、正面を向く姿勢に体を移してくれる。その程度の働きはある、というのが正直な実感です。過度な期待をせずに、朝の準備運動くらいに捉えていただくのがちょうどよいところです。
覚える必要はありません。残るときは勝手に残ります
歌詞を予習してくるゲストの方も、たまにいらっしゃいます。熱心なお気持ちはありがたいのですが、準備は本当に不要です。
一度で覚えられなくても、何も問題は起きません。二度目に来られたときに「あ、この歌か」と思い出せれば十分ですし、そこで終わっても構いません。残るときは勝手に残ります。
ご自身のペースで、朝の時間を使っていただければと考えています。毎週通う必要もありませんし、月に一度でも構いません。歌が残るかどうかは、通った回数の結果でしかない。そう捉えていただけたら気が楽ではないでしょうか。
初めてのゲスト参加——当日の流れと、歌のタイミング
湯島倫理法人会のモーニングセミナーは、毎週月曜7:00の開会です。歌が入るのは、その直後の2分半だけです。
7:10から会長挨拶、7:15から会員スピーチ、7:20からその日の講話へと進み、8:00に終了します。ゲスト参加は無料で、紹介者も必要ありません。
会場でお名前を伺うだけで、その日から同じ席に着いていただけます。ゲストだけ別室に通されるようなこともなく、会員と同じ空間で1時間を過ごしていただく形です。当日の全体像を、時間の流れに沿ってご案内します。持ち物や服装のことも、あわせてお伝えします。
月曜6:30の朝礼から8:40の朝食会まで
朝は6:30の開会前朝礼から動き始めます。30分間の朝礼を経て、7:00に開会と会歌斉唱。ここが本記事の主役の2分半です。
その後は7:10に会長挨拶、7:15に会員スピーチ、7:20からおよそ40分の講話が続きます。8:00にセミナーは終了し、希望される方は8:40頃まで朝食会で交流を続けます。7:00からのご参加でまったく問題ありません。
会場は全国家電会館1階、住所は東京都文京区湯島3-6-1です。東京メトロ千代田線「湯島駅」から徒歩2分、JR「御徒町駅」から徒歩8分。朝の会場の空気についてはどんな雰囲気かをまとめた記事もご参考になさってください。
服装・持ち物・費用のこと
服装はスーツやジャケットの方が多数派ですが、決まりはありません。持ち物も特に指定はなく、名刺を数枚お持ちいただくと朝食会で役立ちます。ゲスト参加は無料です。
朝食会に参加される場合のみ、実費のご負担をお願いする形です。金額や当日の様子は朝食会についてまとめた記事をご覧ください。会場でその場でお申し出いただければ大丈夫ですので、事前のご準備は不要です。
歌詞カードも会場でお渡しします。何もお持ちにならず、体一つでいらしてください。早めに着かれた方には、受付のあたりで会員がお声がけします。分からないことは、そこで遠慮なく聞いていただけたら嬉しく存じます。
朝7時が難しい方には、9:30からのつなラボもあります
「歌には興味があるけれど、朝7時はさすがに厳しい」。そんな方に向けた、もう一つの入り口も湯島にはあるのです。
湯島つながりラボ(つなラボ)は、毎週月曜9:30から11:00に開かれているカジュアルな交流の場です。会場はU-cafe 上野御徒町(東京都台東区上野1-2-6 長谷川ビル2F)です。モーニングセミナーの会場とは別の場所です。参加費はドリンク代のみ、事前予約も不要です。
こちらでは会歌を歌う場面はありません。湯島の雰囲気だけ先に確かめたい、という方にも向いています。お問い合わせに「つなラボ参加希望」とご記入いただければ、それで完了です。
私たち編集部も、日々学びの途中です。朝の歌を入り口に、ご一緒に歩んでいけたら嬉しく存じます。
最後に、この記事の要点を振り返ります。倫理法人会の歌は「夢かぎりなく」と「夢はてしなく」の2曲。湯島では偶数月と奇数月で歌い分けています。作詞は倫理研究所の丸山敏秋理事長、作編曲は小野崎孝輔で、どちらも3番まである2分半の曲です。
歌う場面は開会の直後だけで、歌詞カードは会場で配られます。覚えていく必要も、無理に声を出す必要もありません。ゲスト参加は無料ですので、まずは2分半だけ、朝の空気に触れてみていただけたら嬉しく存じます。
よくいただくご質問
歌が苦手です。歌えないと参加できませんか。
そのようなことはありません。歌詞カードが配られますし、声を出さずに立っているだけの方もいらっしゃいます。歌唱を確認したり、注意したりする決まりは一切ございません。参加の条件に歌唱は含まれておりませんので、ご安心ください。
歌詞は事前に覚えていったほうがよいですか。
覚えていく必要はありません。会場で歌詞カードをお渡ししますので、手ぶらでお越しいただいて大丈夫です。何度か通われるうちに、自然と口をついて出るようになる方が多くいらっしゃいます。
「夢かぎりなく」「夢はてしなく」の作詞・作曲は誰ですか。
2曲とも、作詞は一般社団法人倫理研究所の理事長・丸山敏秋、作編曲は作曲家・編曲家の小野崎孝輔です。公開されている経歴データによると、小野崎は1954年に東京藝術大学楽理科を卒業しています。ヤマハ世界歌謡祭の音楽監督などを務めた音楽家でした。
曲はどこかで聴けますか。
本記事の「歌詞がいいんだよね」の章に、2曲とも音源を埋め込みました。京都伏見倫理法人会の公式YouTubeチャンネルで公開されているものです。ご参加になる月に合わせて一度お聴きいただくと、当日の戸惑いはかなり小さくなります。
何番まで歌うのですか。
2曲とも3番までの構成です。全体で2分半ほどですので、朝7時から8時までの1時間の中では、ごく短い時間に収まります。
会歌を歌うのは宗教的な意味があるのですか。
会の開会を告げる進行の一部です。位置づけとしては校歌や社歌に近く、信仰の対象に向けたものではありません。運営母体の一般社団法人倫理研究所も、宗教法人ではなく一般社団法人です。
湯島ではどちらの曲を歌いますか。
月によって変わります。偶数月は「夢かぎりなく」、奇数月は「夢はてしなく」という歌い分けです。ほかに倫理頌歌「日本創生の詩」もあります。単会によって運用は異なりますので、他の会場のことはその会場の式次第でお確かめください。
歌詞をこの記事で読むことはできますか。
歌詞は著作物にあたるため、本記事では引用を控えております。全文は会場でお渡しする歌詞カード、または各地の倫理法人会が公開している音源でお確かめいただけます。
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