「なぜ、もっと早く言ってくれなかったのか」。そう飲み込んだ経験のある経営者の方は、少なくないのではないでしょうか。
報連相が上がってこないとき、原因は伝える側の心構えよりも受け取る側の設計にあるようです。何を報告してほしいのかという線が引かれているか。悪い知らせを聞いたときの第一声が決まっているか。経路がひとつに絞られているか。この三つが揃うと、情報の流れ方は変わってきます。
実は報連相という言葉自体、もともとは部下ではなく上司に向けて説かれたものでした。
本記事では、報告が止まる三つの分かれ道と、受け手側から整える五つの順番をご紹介します。私たち編集部も学びの途中ですが、ご一緒に考えていけたら嬉しく存じます。
報連相が上がってこないと感じている職場は、少なくありません
報連相が届かないという悩みは、多くの職場で共有されているものです。厚生労働省の調査では、職場の意思疎通が「良い」と答えた労働者は55.8%です。ご自身の会社だけの問題ではありません。
この数字は、厚生労働省 令和6年労使コミュニケーション調査によるものです。令和6年7月に実施され、事業所2,680件・労働者2,613人から有効回答を得た調査です。公表は令和7年6月24日です。
半数を超えているとはいえ、5年前の60.5%からは下がりました。裏返すと、4割を超える働く人が自分の職場の意思疎通を「良い」とは答えていない計算です。報連相が届かないという感覚には、それだけの広がりがあるようです。
「良い」と答えた労働者 55.8% 令和元年は60.5%
5年で 4.7ポイント低下
(「良い」-「悪い」) 46.9pt 令和元年は50.9ポイント
4.0ポイント低下
良好度指数 29.4pt 30〜49人は48.4ポイント
5,000人以上は62.2ポイント
会社が重視することと、社員が重視することは入れ替わります
会社側と社員側では、コミュニケーションに求めるものの順位に違いが出ます。同じ調査で、事業所が重視する内容の1位は「日常業務改善」76.1%、労働者の1位は「職場の人間関係」66.0%でした。
会社側の順位を続けて見ると、2位が「作業環境改善」71.7%、3位が「職場の人間関係」68.6%と並びます。同じ統計で労働者側は、2位が「日常業務改善」59.0%、3位が「作業環境改善」52.5%です。1位と2位がきれいに入れ替わっている格好です。
この差は、報連相の設計に効いてきます。会社が「業務の話を上げてほしい」と願う一方、社員は「この職場での人との関わり」に目を向けているためです。報告の中身だけを整えても届く量が増えにくい背景が、ここにあるわけです。
規模別に見ると、傾向はさらにはっきりします。同じ統計で従業員30〜49人の事業所が「職場の人間関係」を重視する割合は74.1%。規模別で最も高い数字です。労働組合がない事業所でも71.4%にのぼり、組合がある事業所の62.5%を上回りました。
主な調査データを一覧に整理します。
| 重視する内容 | 事業所側 | 労働者側 | 順位の動き |
|---|---|---|---|
| 日常業務改善 | 76.1%(1位) | 59.0%(2位) | 1位 → 2位 |
| 作業環境改善 | 71.7%(2位) | 52.5%(3位) | 2位 → 3位 |
| 職場の人間関係 | 68.6%(3位) | 66.0%(1位) | 3位 → 1位 |
| 賃金・労働時間等の労働条件 | 58.9% | 51.0% | 変わらず |
| 人事(人員配置・昇進等) | 34.8% | 32.7% | 変わらず |
出典:厚生労働省 令和6年労使コミュニケーション調査 結果の概況 第2表・第15表(令和7年6月24日公表)。いずれも複数回答。
労使コミュニケーションの良好度は、5年前より下がっています
職場の意思疎通に対する労働者の評価は、5年前と比べて下向きです。良好度指数は46.9ポイントで、令和元年調査の50.9ポイントから4.0ポイント下がりました。
良好度指数とは、「良い」と答えた割合から「悪い」と答えた割合を引いた数値のことです。例えば「良い」が60%、「悪い」が10%なら50ポイントです。同じ調査で「良い」は55.8%(令和元年60.5%)、「悪い」は8.9%(同9.6%)でした。
下がった分の多くは「どちらともいえない」へ移っただけです。令和6年は34.3%で、令和元年の28.6%を5.7ポイント上回る水準です。はっきり悪化したというより、判断を保留する人が増えた形です。
50人から99人の規模で、いちばん低い数字が出ています
規模別に見ると、ある帯だけ数字が沈みます。従業員50〜99人の良好度指数は29.4ポイントで、全規模の中で最も低い水準でした。
同じ統計を規模順に並べてみます。5,000人以上62.2ポイント、1,000〜4,999人53.3ポイント。続いて300〜999人42.3ポイント、100〜299人40.7ポイント。そして50〜99人が29.4ポイントまで落ち、30〜49人では48.4ポイントに戻る形です。
30人台では48.4ポイントあったものが、50人を超えると29.4ポイントまで沈む。この落ち込みは、経営者の実感とも重なるのではないでしょうか。社長が全員の顔と状況を把握できていた時期を過ぎ、まだ仕組みが追いついていない。そんな端境期の景色です。
同じ帯では「悪い」と答えた割合も15.7%と最も高い数字です。人が増えたのに、伝わり方だけが以前のままになっている。私たち編集部の周りでも、この規模の経営者から似たご相談をいただく場面が目立ちます。
報連相はもともと、部下ではなく上司のための言葉でした
報連相は、部下の心得として広まった言葉です。ただ、提唱された当時の狙いは違うのです。上司の側が風通しのよい職場をつくるための取り組みが出発点です。
この出発点を知ると、打ち手の置きどころが変わるはずです。「なぜ言ってこないのか」という問いは、「なぜ言いにくいのか」という問いに置き換わるためです。
主語が変わると、打てる手も変わります。相手の性格を待つのではなく、自分の側の段取りを組み替える話になるためです。ここから先は、その段取りを具体的に見ていきます。
1982年に、ある証券会社で始まった社内の取り組みでした
報連相は、山種証券の山崎富治氏が1982年に社内で始めた取り組みが広まったものです。1986年に刊行された著書『ほうれんそうが会社を強くする』(ごま書房)によって、広く知られるようになりました。
報告・連絡・相談の頭文字を、野菜のほうれん草に掛けた造語です。言葉として覚えやすかったことも、定着を後押ししたのでしょう。
興味深いのは、これが人事制度でも研修でもなく、一つの会社の社内運動として始まった点です。四十年以上を経て、いまでは新入社員研修の定番として語られています。広まる過程で、言葉の向きだけが変わってしまったようにも見えます。
提唱者が説いたのは、嫌な情報を遠ざけないことでした
同書が説いていたのは、部下の努力目標ではありません。管理職が嫌な情報や喜ばしくないデータを遠ざけず、問題点を積極的に改善していくこと。そのうえで、生え抜きでない社員や末端の社員でも報告・連絡・相談が行える環境をつくることでした。
つまり、主語は上司の側だったのです。報連相という言葉は、部下を評価する物差しとして生まれたわけではなかったようです。
いつの間にか「報連相ができない社員」という使われ方が定着しました。私たち編集部も、この言葉を無意識に部下側の課題として使っていた一人です。出発点を知ってから、自分たちの受け取り方を見直すようになりました。
なぜ言ってこないのかの答えは、受け手側にあるようです
受け手ほど、自社の風通しをよいと感じる傾向がうかがえます。同じ厚生労働省の調査を役職別に見てみます。良好度指数は課長クラス以上57.8ポイント、係長クラス51.6ポイント、役職なし43.3ポイントでした。
上に行くほど数字が高くなる並びです。課長クラス以上と役職なしの差は14.5ポイントに達します。報告を受ける立場の人ほど「うちは風通しがよい」と感じ、報告する立場の人ほどそう感じていない。この見え方の差は、覚えておきたいところです。
社長席から見える景色と、現場から見える景色は同じではありません。自分の実感を職場の実態と同じだと考えないことが、最初の一歩になるように感じています。
報告が止まってしまう、3つの分かれ道
報告が届かない場面には、共通するつまずきが存在します。線引きの不在・第一声・経路の多さの三つです。いずれも人柄ではなく、仕組みの側の話です。
私たち編集部も自分たちの仕事を振り返ると、情報が遅れた日にはこの三つのどれかが当てはまっていました。どれも本人の熱意とは関係のないところで起きています。
裏を返せば、仕組みの側を動かせば手が届く範囲だということです。人を入れ替えなくても、明日から変えられる部分が残っています。三つを順に見ていきます。
何を報告してほしいのか、線が引かれていない
報告の基準が言葉になっていないと、社員は自分で判断して口をつぐみます。「これは報告するほどのことだろうか」と迷ったとき、多くの人は控えるほうを選ぶためです。
線引きがないと、判断そのものが社員の負担です。報告して「そんなことまで言わなくていい」と返された経験があれば、次はもっと慎重になるでしょう。逆に黙っていて叱られた経験があれば、どちらに転んでも落ち着かない状態です。
基準は、金額・期日・件数といった数字で置くと、迷いはぐっと小さくなるでしょう。「10万円を超える見積もり変更は当日中に」といった具体の線があれば、判断は一瞬です。
報告したときの第一声が、次の報告を決めている
悪い知らせが遅れる理由の多くは、報告した瞬間の反応です。最初の一言が叱責だった場合、次回の報告は確実に遅くなるためです。
これは意地や反抗ではなく、ごく自然な反応だと捉えています。人は痛みを伴った行動を繰り返しにくいものです。報告という行動に痛みが結びつくと、無意識のうちに先送りが始まるのです。
厄介なのは、受け手にその自覚が残りにくい点です。叱った側は内容を覚えていても、相手の表情までは記憶に残りません。第一声は、その場の感情ではなく事前に決めておくほうが確実だと感じています。
経路が多すぎて、どこに言えばよいのか分からない
入口が分散していると、報告はどこにも届きません。口頭・チャット・メール・会議と選択肢が並ぶほど、どこに出すのが正解かという迷いが生まれるためです。
「言ったつもり」と「聞いていない」が同時に起きるのも、この状態です。誰も嘘をついていないのに、情報だけが宙に浮きます。経路が複数あると、記録も分散し、後から追えません。
会議で扱うべきことと、日々の報告で足りることの切り分けも大切です。この点は会議の進め方をご紹介した記事でも触れています。決める場と届ける経路は、役割が違うためです。
情報が上がってくる職場に整える5つの順番
情報が届く職場は、順番を決めているという共通点が見られます。線を引き、第一声を決め、経路を固定し、相談の位置づけを変え、こちらから開く。この五つです。
制度をつくる話ではありません。就業規則を書き換えたり、新しいツールを入れたりする前にできることばかりです。
順番には意味があります。線が引かれていないまま経路だけ整えても、何を流せばよいのか分からないためです。逆に線さえ引かれていれば、あとの四つは自然とつながっていきます。明日の朝から試せるものから順に並べました。
線を引く 金額・期日・件数で報告の範囲を決める。報告しなくてよい範囲も同時に。
先に決める 悪い知らせへの返し方を固定する。評価と原因追及はその後に置く。
ひとつに固定 朝の3分でも定点になる。緊急だけ別経路の二層で足りる。
考える場にする 答えを持たずに来てよいと明示する。困りごとが小さいうちに届く。
先に開く 売上の推移・今期の重点・判断に関わる範囲。渡すことが流れの起点になる。
順番1 報告してほしいことに、数字と場面で線を引く
最初にするのは、報告の範囲を言葉にすることです。金額・期日・件数・相手先といった数字で線を引くと、社員の判断がぐっと速くなるはずです。
例えば「見積もりが当初から1割動いたら当日中」「納期が2日以上ずれる見込みが立った時点で」といった置き方です。「重要なことは報告して」では、重要の基準が人によってばらばらです。
線を引くときは、報告しなくてよいことも同時に決めておくと親切です。上げる範囲だけを示すと、社員は際限なく広げて解釈しがちなためです。
順番2 悪い知らせを聞いたときの第一声を、先に決めておく
次に決めるのは、自分の反応です。悪い報告を受けたときの第一声を「教えてくれて助かりました」に固定するやり方です。
内容への評価は、そのあとで構いません。順番を入れ替えるだけで、報告という行動に良い記憶が生まれます。原因追及も対策も、第一声の後に置けば遅くはならないはずです。
これは意識ではなく、あらかじめ言葉を決めておく話です。私たち編集部でも、余裕がない朝ほど第一声が硬くなる経験を重ねてきました。決めておかないと、その日の調子に流されてしまうところです。
報告という行動に痛みが結びつく
悪い情報ほど最後に届く
報告という行動に良い記憶が残る
打ち手を選べる時間が残る
朝の挨拶ひとつで職場の空気が変わることは、朝の挨拶について書いた記事でも触れました。明朗(ほがらか)とは、機嫌のよさではなく、受け止めたときの表情のことだと私たちは捉えています。
順番3 報告の経路と時間を、ひとつに固定する
三つ目は、入口を絞ることです。報告の経路と時刻を、ひとつに決めておく。迷いと取りこぼしが同時に小さくなる打ち手です。
朝の3分でも構いません。始業直後に立ったまま持ち回りで一言ずつ、といった形です。定点があると、社員は「あの時間に言えばよい」と分かるわけです。タイミングを計る負担が消える点が大きいところです。
緊急のものだけ別経路を用意すれば十分でしょう。平常の報告は定点に集め、例外だけ即時にという二層で構いません。経路を減らすと、記録が一箇所にまとまる点も助かるところです。
日々の定点として朝礼を活かす方法は、朝礼について整理した記事でご紹介しました。
順番4 相談を、判断を仰ぐ場ではなく一緒に考える場にする
四つ目は、相談の位置づけを変えることです。相談が「答えをもらう場」になっていると、社員は答えができるまで動けません。
結果として、相談は遅れます。自分の中で結論が出るまで持ち込めないためです。困りごとが小さいうちに出てくる職場は、相談を「一緒に考える場」として扱っているようです。
「どうしましょうか」で来てよい、と明示するだけでも十分な合図です。答えを持たずに来ることを許す。これが早期の情報流通につながっていくところです。任せ方については幹部育成についてまとめた記事も併せてご覧ください。
順番5 上げてもらう前に、こちらから開く
最後は、こちらから情報を渡すことです。経営の側が数字や方針を開いている職場ほど、社員からの情報も動きやすくなります。
情報の流れは一方向では成立しません。何も知らされていない状態で「気づいたことを上げてほしい」と言われても、何が重要か判断する材料がないためです。
すべてを開く必要はないと考えています。売上の推移、今期の重点、社員の判断に関わる範囲。この三つだけでも、報告の質は変わってくるはずです。次の章では、この点を裏づけるデータをご紹介します。
情報を開いている会社ほど、定着も業績も違っています
経営情報を社員に共有している中小企業は、全体の57.0%です。共有している事業者の付加価値額の変化率は10.5%、していない事業者は6.3%でした。開くことと数字が動くことは、隣り合わせです。
出典は中小企業庁 2025年版中小企業白書 第2部第1章第2節です。帝国データバンクの令和6年度中小企業の経営課題と事業活動に関する調査をもとにしており、有効回答は24,588者です。
同白書は、従業員への情報開示や業務の脱属人化を「透明性」と定義して分析しています。報連相という言葉こそ出てきませんが、扱っているのは同じ地面です。
経営情報を共有している中小企業は57.0%です
情報開示への取り組みは、項目によってばらつきが見られます。同白書の第2-1-18図を見てみます。従業員への業績・財務内容・議事録など経営情報の共有に取り組む事業者は57.0%。取り組んでいない事業者は43.0%でした。
同じ図で、従業員への経営理念・ビジョンの共有に取り組む事業者は70.2%。一方、業務の属人化・ブラックボックス化の防止は51.5%どまりです。理念は伝えていても、数字と業務の中身までは開いていない。そんな姿が浮かびます。
報連相の悩みを抱えている場合、まずこの数字にご自身の会社を当てはめてみるのも一手です。社員に何を渡しているかを棚卸しすると、求めているものとのつり合いが見えてきます。
従業員30名以下では、脱属人化の取り組みが遅れがちです
規模が小さいほど、情報を整える取り組みは後回しになりがちです。同白書の第2-1-19図に、その差が出ています。業務の属人化・ブラックボックス化の防止に取り組む割合は、従業員30名以下で46.0%、100名超で64.5%という開きです。
経営理念・ビジョンの共有はさらに差がつきます。同じ図で30名以下63.5%に対し、100名超は89.5%。50名超100名以下は83.7%、30名超50名以下は79.5%と続きます。
人数が少ないうちは会話で足りている、という実感は自然なものです。ただ前章で触れた50〜99人の落ち込みを思うと、少ないうちに経路を決めておくほうが負担は軽く済みそうです。職場の空気づくりについては職場の雰囲気を改善する方法でも書いています。
取り組んでいる会社の付加価値額は10.5%、いない会社は6.3%でした
情報を開いている会社は、定着と業績の両方で違いが見えます。同白書の第2-1-22図をご覧ください。経営情報の共有に取り組む事業者の付加価値額の変化率は10.5%、取り組んでいない事業者は6.3%という開きです。2023年と2018年を比較した中央値です。
同じ図で、業務の属人化防止に取り組む事業者は11.4%、取り組んでいない事業者は5.9%。経営理念・ビジョンの共有では10.7%と3.7%の開きです。いずれの項目でも、開いている側が上回る結果です。
定着率にも差が見えます。同白書の第2-1-20図は、直近3年間で採用した従業員の定着率を見たものです。定着率が3割未満だった割合は、経営情報の共有に取り組む事業者で13.4%、取り組んでいない事業者で16.3%でした。経営理念の共有では13.2%と18.8%の差です。
ただし白書自身が、この結果から因果を断定してはいません。開いたから伸びたのか、伸びている会社が開く余裕を持っているのか。そこまでは読み取れないという書き方です。それでも「開いている会社の数字が上にある」という事実は、動く理由として十分だと私たちは受け止めています。
湯島の朝に、報連相の原型を見ることがあります
私たち湯島倫理法人会のモーニングセミナーは、毎週月曜日、朝6時30分の朝礼から始まる場です。同じ時刻に同じ場所で顔を合わせる定点が、報連相の原型のように感じられる朝もあるのです。
仕組みとしては、驚くほど単純です。時間が決まっていて、終わりも決まっている。それだけのことが、続けると効いてきます。
特別な工夫があるわけではありません。ただ、来る人が「次はいつ会えるか」を考えずに済む状態が、四十年以上そこにあり続けています。私たちが定点の力を教わったのは、この朝からでした。
毎週決まった時刻に、顔を合わせる定点があります
湯島のモーニングセミナーは、6時30分の朝礼のあと、7時00分に開会します。8時00分に終了し、その後8時40分まで朝食会という流れです。会場は東京都文京区湯島3-6-1の全国家電会館1階です。
決まった時刻に人が集まる場は、それ自体が経路として働きます。「次の月曜に会える」と分かっていると、話すきっかけを探さずに済むためです。前章の順番3でお伝えした定点も、考え方は同じです。
約束をとりつける手間がないことは、思っている以上に大きいところです。相談したいことが浮かんでから会うまでの距離が、最初から短く保たれているためです。社内の朝の3分も、この点では同じ働きをします。
東京都文京区湯島3-6-1
ゲスト参加歓迎
明朗は、悪い報告を受けたときの表情に表れます
明朗(ほがらか)という言葉を、私たちは日々の実践として受け取っています。機嫌がよいことではなく、都合の悪い話を聞いたときに顔色を変えないこと。そう捉えると、報連相との距離は一気に縮まるように感じられます。
順番2でお伝えした第一声も、結局はここに行き着くように思えてなりません。表情は言葉より早く相手に届きます。聞いた瞬間の顔が、次の報告が来るかどうかを決めているのでしょう。
私たち編集部も、これができている日ばかりではありません。忙しい朝ほど、返事が短くなってしまう。うまくいかない日を数えながら、ご一緒に続けているというのが正直なところです。
朝の空気は、ゲスト参加で確かめていただけます
湯島のモーニングセミナーは、初めての方もゲストとしてご参加いただけます。参加費は無料で、会員と同じように朝礼から朝食会までご一緒いただく形です。
東京メトロ千代田線の湯島駅から徒歩2分、JR御徒町駅から徒歩8分の場所です。朝7時に人が集まる場の空気は、文字で読むより体感が早いところです。ご都合が合いましたら、一度ゲスト参加してみてはいかがでしょうか。
朝7時が難しい方には、湯島つながりラボという場もご用意しています。毎週月曜日の9時30分から11時00分まで、U-cafe 上野御徒町で開いているカジュアルな交流の場です。
まとめ|報連相は、待つものではなく整えるものです
報連相は、社員の心構えを待つものではなく、受け手の側が整えるものでした。線を引き、第一声を決め、経路を固定し、相談の位置づけを変え、こちらから開く。この五つの順番が、情報の流れをつくっていきます。
出発点も、同じところにあったのです。1982年に説かれたのは、管理職が嫌な情報を遠ざけないことでした。そして厚生労働省の調査が示すとおり、会社が重視することと社員が重視することには、ずれがあります。
社員を変えようとすると時間がかかります。自分の側の段取りなら、明日の朝から動かせるところです。
明日の朝、いちばん小さく始められる一つ
五つすべてを一度に始める必要はないと考えています。もし一つだけ選ぶとしたら、順番2の第一声でしょう。制度も予算も要らず、明日の朝から試せるためです。
「教えてくれて助かりました」。この言葉を先に決めておく。それだけで、次の報告が半日早くなるという場面を、私たちは何度か見てきました。小さな一歩から始めてみませんか。
私たち編集部も、日々学びながら試行錯誤を重ねています。皆様の職場での工夫からも学ばせていただきながら、ご一緒に歩んでいけたら嬉しく存じます。
よくあるご質問
Q1. 報連相ができない社員には、どう伝えればよいでしょうか
個人の姿勢を正す前に、報告してほしい範囲が言葉になっているかを確かめてみてはいかがでしょうか。金額・期日・件数など数字で線を引き、どの場面で誰に伝えるかまで具体化すると、判断に迷う場面が減っていきます。伝え方を変えるより、線を引き直すほうが早く効くように感じています。
Q2. 悪い報告が遅れてしまうのは、なぜでしょうか
報告した瞬間に返ってくる反応が、次の報告を決めているためです。報連相を提唱した山崎富治氏の著書でも、管理職が嫌な情報を遠ざけないことが本来の狙いとされていました。第一声を「教えてくれて助かりました」と先に決めておくだけでも、届く早さは変わってきます。
Q3. 報連相と会議は、どう使い分ければよいでしょうか
報連相は日々の情報を届ける経路、会議は集まって決める場です。報告で足りることを会議に持ち込むと時間が伸び、決めるべきことを報告だけで済ませると宙に浮きます。どちらに乗せるかをあらかじめ決めておくと、両方が軽くなっていくところです。
Q4. 社員数が少ない会社でも、仕組みは必要でしょうか
人数が少ないうちは会話で足りている場面も多いかと存じます。ただ中小企業庁の2025年版中小企業白書に、気になる開きが出ています。業務の属人化を防ぐ取り組みは、従業員30名以下で46.0%、100名超で64.5%でした。人が増えてから整えるより、少ないうちに経路を決めておくほうが負担は小さく済みそうです。
Q5. 経営の数字を社員に共有することに、不安があります
すべてを開く必要はなく、行動につながる範囲から始めるやり方もあるでしょう。同白書によると、経営情報の共有に取り組む事業者の付加価値額の変化率は10.5%。取り組んでいない事業者は6.3%でした。白書自身が因果を断定しているわけではありませんが、開いている会社ほど数字が動いている様子はうかがえます。
倫理経営を朝から学ぶ、湯島の経営者コミュニティへ
湯島倫理法人会は文京区湯島3-6-1 全国家電会館1階で、毎週月曜日 朝7:00からモーニングセミナーを開催しています。初めての方もゲスト参加(無料)でお越しいただけます。朝が難しい方は9:30から始まる「湯島つながりラボ」も別会場でお待ちしています。
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