「倫理法人会憲章という言葉を耳にしたけれど、実際には何が書かれているのだろう」と気になっている経営者の方は、少なくないのではないでしょうか。会の案内や朝の集まりでふと耳にしても、その中身までは案外知られていないものです。

結論からお伝えすると、倫理法人会憲章とは、会が大切にする目的と方向性をまとめた、道しるべのような文章です。前文・5つの活動指針・3つの会員心得という三つの部分で構成されています。倫理研究所によって公開されており、特別な資格がなくても誰もが読めます。

本記事では、憲章の全体像、活動指針5項目、会員心得3カ条という順に、公開されている範囲でやさしくかみくだいた道案内です。あわせて、湯島倫理法人会の朝に憲章がどう息づいているか、私たち編集部の等身大の受け止めもお伝えできれば幸いです。完璧な解説ではありませんが、何かのきっかけになればと願っています。

倫理法人会憲章とは|まず全体像をやさしく整理する

倫理法人会憲章とは、会の目的・活動の方向性・会員一人ひとりの心構えを一つにまとめた文章です。前文・活動指針・会員心得という三層で構成され、倫理研究所が公開しています。難しい教義書ではなく、進む方向を示す看板のようなものだと捉えると、ぐっと身近に感じられるはずです。

この憲章を共有しているのは、決して小さな集まりではありません。

倫理法人会憲章の冊子が並ぶセミナー会場に朝の光が差し込む穏やかな雰囲気

憲章の前文が掲げている目的

前文には、会が何を目指す団体なのかが端的に記されています。公開されている内容をかみくだくと、こんな方向性が浮かびます。純粋倫理を土台に、経営者自身の自己革新をはかり、心の経営をめざす人々のつながりを広げていく。実行によって正しさが確かめられる、という考え方が貫かれていました。

ここで言う「経営」の核には、時代が変わっても揺らがない原理・原則を置く、という考え方が流れているようです。短期の損得だけでなく、長く信頼される土台をどう築くか。そうした問いに向き合う仲間の集まりであることが、前文からは読み取れます。

私たち編集部も、この前文を初めて読んだときは少し堅く感じました。けれど日々の経営の場面に重ねてみると、「結局は信頼の積み重ねだ」という当たり前の一点に戻ってくる。そんな手ざわりのある言葉だと、今では受け止めております。

憲章は誰がいつ唱和しているのか

憲章は、読むだけのものではなく、会の場で声に出して唱えられることもあるのです。毎週のモーニングセミナーや役員の朝礼などで、参加者が一緒に読み上げる光景が各地で見られます。

文字を黙読するのと、声に出して唱えるのとでは、不思議と受け取り方が変わってきます。同じ言葉を仲間と声に出すことで、一人の決意が場の空気へと広がっていく。そんな効果があるように感じられてなりません。なお、湯島倫理法人会で配布している規程は、湯島倫理法人会の公式サイトでも確認できます。

倫理法人会憲章の活動指針 5項目

倫理法人会憲章の中心にあるのが、5つの活動指針です。会がどんな方向に力を注ぐのかを示したもので、リーダー育成・家庭・職場・地域貢献・環境という、暮らしと経営の広い範囲に及びます。一つずつ見ると、経営者の日常と地続きであることが分かるはずです。会社の数字を追う日々のなかでは、つい忘れがちな視点ばかりが並びます。それでも、どの指針も「人としてどう在るか」という一点に根を持っています。だからこそ、業種や規模を問わず、多くの経営者が自分ごととして受け取ってきたのでしょう。

つぎの一覧に、5つの活動指針をまとめます。

倫理法人会憲章 活動指針5項目と経営者の日常との接点
項目 指針の要点 経営者の日常との接点
1 倫理の学習と実践の場を提供し、豊かな人間性を備えたリーダーを育成する 学び合う社風づくり・社内勉強会
2 家族を愛し祖先を敬い、なごやかでゆるぎない家庭を築く人を育てる 家庭の安定が思い切った経営判断の土台に
3 明朗・愛和・喜働の実践により、躍動する職場づくりを推進する 朝の挨拶や働き方の見直し
4 愛と敬と感謝の経営をめざす会員の輪を広げ、地域社会の発展に寄与する 取引先・地域との誠実な関係づくり
5 自然を畏敬・親愛し、地球人たる自覚を深め、環境の保全と美化に貢献する 事業活動における環境配慮
出典:一般社団法人倫理研究所 公開の倫理法人会憲章

5つの活動指針を一覧で見る

活動指針は、「学び」「家庭」「職場」「地域」「環境」という5つの場面に、会の願いを割り当てた構成です。一見すると経営から離れたテーマも含まれますが、どれも経営者の足元とつながっています。

たとえば第2の指針は、家族を愛し祖先を敬い、なごやかな家庭を築く人を育てるという内容でした。仕事の話に家庭が出てくることを意外に思う方もいらっしゃるかと存じます。けれど、家庭が落ち着いていてこそ思い切った経営判断ができる、という実感を持つ経営者は多いのではないでしょうか。

第5の指針として環境保全が掲げられている点も、制定の歴史を思えば先進的な視点です。自然を畏れ親しみ、「地球人」としての自覚を深めるという言葉には、目先の利益を超えた視野の広さがにじんでいます。

指針が日々の活動とどうつながっているか

5つの指針は、額に飾る標語ではなく、日々の小さな行動に落とし込めるところに値打ちがあります。学びの場づくりは社内勉強会に、職場づくりは朝の挨拶に、地域貢献は取引先との誠実なやりとりに、それぞれ姿を変えて表れるものです。

私たち編集部の周りでも、「指針のうち一つだけでも今週は意識してみよう」と取り組む経営者の方もいらっしゃるほどです。五つすべてを一度に背負おうとすると息切れしてしまう。けれど一点に絞れば、明日からでも踏み出せるでしょう。

第3の指針にある明朗(ほがらか)・愛和(なかよく)・喜働(よろこんではたらく)という三つの言葉は、職場づくりの合言葉としてよく知られています。朝の「おはようございます」をいつもより明るく交わすだけでも、その入口に立てるのではないでしょうか。

会員心得 3カ条が大切にしていること

会員心得は、活動指針とあわせて唱えられる3つの短い言葉です。「朗らかに働く」「約束を守る」「人を愛して争わない」という、誰にとっても覚えやすい3カ条で、日々の振る舞いに直結しました。短いからこそ、ふとした瞬間に思い出せます。立派な経営理念を掲げていても、現場で生きていなければ意味が薄れてしまう。その点、この3カ条は朝の挨拶や一本の電話にまで届く近さを持っています。難しい言葉が一つもないところに、かえって深さを感じる方も多いのではないでしょうか。

倫理法人会 会員心得3カ条
1 朗らかに働き、喜びの人生を創造します 明るい挨拶ひとつから。前向きな心持ちが、職場の空気を整えていきます。
2 約束を守り、信頼の輪をひろげます 小さな約束を一つずつ果たすことで、信頼は自然と広がっていきます。
3 人を愛して争わず、互いの繁栄をねがいます 競い合うより、共に栄える道を。共尊共生の姿勢が根にあります。

朗らかに・約束を守り・人を愛してという3つの言葉

3カ条は、声に出してみると、その平易さに驚かされます。「朗らかに働き、喜びの人生を創造します」「約束を守り、信頼の輪をひろげます」「人を愛して争わず、互いの繁栄をねがいます」。どれも特別な経営理論ではなく、人として大切にしたい当たり前の姿勢でした。

当たり前だからこそ、毎日続けるのは案外むずかしいものでしょう。約束を守る一つを取っても、忙しさにまぎれて返事を後回しにしてしまう場面は、私たちにも覚えのある日常です。心得は「できている自分」を誇るためではなく、「今日はどうだったか」と静かに振り返るための鏡なのかもしれません。

二つ目の「信頼の輪をひろげます」という表現も味わい深いところです。信頼は勝ち取るものというより、約束を一つずつ果たすなかで自然に広がっていく。経営の現場で何度も実感する道理が、ここに凝縮されておりました。

明朗・愛和・喜働との関係

会員心得の根っこには、先ほど触れた明朗・愛和・喜働という三つの実践があります。朗らかさは明朗、争わず愛することは愛和、喜びをもって働くことは喜働と、自然に響き合う言葉たち。

これらを堅い教えとして身構える必要はなさそうです。朝の挨拶、約束の履行、相手への気づかい。そうした日常の所作の積み重ねが、結果として三つの言葉に近づいていくのだと捉えております。倫理法人会についてより広く知りたい方は、倫理法人会とは何か・評判をまとめた記事もあわせてご覧ください。

湯島倫理法人会の朝に、憲章はどう息づいているか

文章として読む憲章と、実際の場で交わされる憲章とでは、響き方が少し違うようです。湯島倫理法人会では毎週月曜日の朝7:00から、文京区の全国家電会館1階でモーニングセミナーを開催しており、その朝の時間のなかに憲章の精神が静かに流れていました。

湯島の会場に置かれた倫理法人会憲章と明るい空間

毎週月曜の朝に積み重ねる時間

湯島のモーニングセミナーは、7:00の開会から8:00の終了まで、ちょうど1時間の集まりです。会長の挨拶、会員によるスピーチ、そして各回の講話者によるお話と続き、一週間の始まりを整える時間へと変わります。

当日のおおまかな流れを、時系列で整理しました。

湯島倫理法人会 モーニングセミナー 当日の流れ
  • 6:30 開会前の朝礼
  • 7:00 開会・会歌斉唱
  • 7:10 会長挨拶
  • 7:15 会員スピーチ
  • 7:20 講話(学びの中心)各回の講話者による体験談など
  • 8:00 セミナー終了
  • ~8:40 朝食会(自由参加)業種を越えた経営者同士の交流の場
出典:湯島倫理法人会 モーニングセミナー開催概要

ここで大切にされているのは、立派な答えを持ち帰ることよりも、同じ朝に集い、同じ言葉に触れるという積み重ねでしょう。憲章に書かれた「学びと実践の場」という指針が、毎週の小さな継続として形になっている。そんな場だと感じております。セミナー後には希望者で朝食会も開かれ、業種を越えた経営者同士の交流が生まれるのです。当日の流れをもう少し詳しく知りたい方は、モーニングセミナーの参加方法をまとめた記事が参考になるはずです。

ゲスト参加で言葉の手ざわりにふれる

憲章の言葉は、読むだけでなく、その場の空気のなかで受け取ると印象が変わります。湯島倫理法人会のモーニングセミナーは、会員でない方も無料でゲスト参加していただけます。初めての方も、傍観者としてではなく、ご一緒に学ぶ仲間としてお迎えします。

朝7時の集まりが少し早いと感じる方には、セミナー後9:30から開かれる「湯島つながりラボ」という、よりカジュアルな交流の場もございます。会場はU-cafe上野御徒町で、ドリンク代のみで参加でき、入会も必要ありません。どちらも、まずは言葉の手ざわりにふれていただく入口として、お気軽にお越しください。

経営者として憲章をどう受け止めるか|編集部の等身大の気づき

倫理法人会憲章は「こうしなさい」と命じる規則ではなく、「こういう在り方に近づけたら」という願いをまとめた道しるべだと、私たちは受け止めております。だからこそ、できた・できなかったで一喜一憂するより、迷ったときに立ち返れる基準として静かにそばに置く。そんな付き合い方がしっくりきました。

規則ではなく『道しるべ』として読む

憲章を規則として読むと、どうしても「守れていない自分」を責めたくなるものです。けれど、道しるべとして読めば、進む方角を確かめる助けになります。山道で看板を見て安心するように、判断に迷う場面でそっと方向を示してくれる存在でしょう。

経営には、正解の見えない分かれ道がいくつも現れます。値付け、人の配置、取引の進退。そうしたとき、「信頼の輪をひろげる方向はどちらか」と一つ問い直すだけで、選択の軸が定まってくるものです。憲章は答えそのものではなく、良い問いを思い出させてくれる存在なのだと考えております。

うまくいかない日も含めて続けるということ

正直に申し上げると、私たち編集部も憲章を完璧に体現できているわけではありません。朗らかでいたい朝に苛立ってしまう日もあれば、約束の確認を後回しにしてしまう週もありました。

それでも続けられるのは、倫理法人会が「できている人の集まり」ではなく、「ご一緒に学び合う仲間の集まり」だからでしょう。うまくいかなかった経験を率直に分かち合えること自体が、共尊共生という言葉の実践なのかもしれません。小さな一歩を、ご自身のペースで重ねていく。その歩みに、この記事が少しでも寄り添えたなら幸いです。倫理法人会を運営する倫理研究所の活動全体については、倫理研究所 公式サイトの倫理法人会案内でも知ることができます。

よくある質問

倫理法人会憲章とは何ですか?

倫理法人会が大切にする目的と方向性を、前文・5つの活動指針・3つの会員心得という形でまとめた、いわば会の道しるべです。倫理研究所によって公開されており、特別な資格がなくても読めます。

倫理法人会憲章はどこで読めますか?

倫理研究所や各倫理法人会の公式サイトで公開されています。湯島倫理法人会のサイトでも規程として確認いただけます。声に出して唱える機会としては、モーニングセミナーや朝礼の場がございます。

会員心得の3カ条とは何ですか?

「朗らかに働き、喜びの人生を創造します」「約束を守り、信頼の輪をひろげます」「人を愛して争わず、互いの繁栄をねがいます」の3つでした。短い言葉ながら、日々の振る舞いに直結しています。

「明朗・愛和・喜働」と憲章はどう関係しますか?

明朗(ほがらか)・愛和(なかよく)・喜働(よろこんではたらく)の三つの実践は、活動指針のなかに職場づくりの方向性として織り込まれました。朝の挨拶や働き方に重ねて受け止める方も多いでしょう。

入会していなくても憲章にふれられますか?

はい。湯島倫理法人会のモーニングセミナーはゲスト参加が歓迎されており、参加費も無料です。朝の場で言葉の手ざわりにふれていただけますので、ご興味のある方はお気軽にご参加ください。

倫理経営を朝から学ぶ、湯島の経営者コミュニティへ

湯島倫理法人会は文京区湯島3-6-1 全国家電会館1階で、毎週月曜日 朝7:00からモーニングセミナーを開催しています。初めての方もゲスト参加(無料)でお越しいただけます。朝が難しい方は9:30から始まる「湯島つながりラボ」も別会場でお待ちしています。

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