「体が資本だと分かってはいても、自分の健康管理はいつも後回し」。気づけば健康診断もつい先延ばしにしている。そんな覚えのある経営者の方は、少なくないのではないでしょうか。責任の重さを知る方ほど、ご自身のことは後回しになりがちなものです。

先に、いちばんお伝えしたいことを申し上げます。経営者の健康管理とは、特別な健康法を極めることではありません。睡眠・食事・運動・メンタル・定期健診という5つの土台を、無理のない範囲で崩さないこと。そして、その多くは朝の時間の整え方とつながっています。

本記事では、多忙な経営者が長く走り続けるための健康管理を、やさしく整理してまいります。私たち湯島倫理法人会の編集部も、朝の集いを通じて生活のリズムを整えようと学んでいる一員です。上からお伝えするのではなく、等身大でご一緒に考えられたら嬉しく存じます。

経営者の健康管理はなぜ後回しになりやすいのか

経営者の健康は、事業の土台そのものです。それでも、いざとなると優先順位が下がってしまう。まずはその背景を、責めるのではなく静かに整理してみます。理由が見えると、対処の糸口もつかみやすくなるはずです。

経営者の健康管理が後回しになる、3つの理由
理由1

代わりがいないという重圧

「自分が休めば会社が止まる」。責任感の強い方ほど、多少の不調は気力で押し切ってしまいがちです。

理由2

成果が見えにくく優先順位が下がる

健康管理はすぐ数字に表れないため、緊急ではないが大切なこととして静かに後回しにされます。

理由3

不調のサインを気合で乗り切る

眠りの浅さや疲れといった体からのサインを、忙しさの中で「気のせい」と片づけてしまいます。

まず理由を知ることが、整えるための第一歩

代わりがいないという重圧

中小企業の経営者は、代わりのきかない役割を担っておられます。「自分が休めば会社が止まる」という思いから、多少の不調は気力で押し切ってしまう。その責任感は尊いものですが、無理が続けば、かえって長く走り続けられなくなります。

体を守ることは、事業を守ることと地続きです。ご自身の健康を大切にする姿勢は、決してわがままではありません。むしろ、会社と社員への責任を果たすための土台だと捉え直してみてはいかがでしょうか。

成果が見えにくく優先順位が下がる

健康管理のもう一つの難しさは、成果がすぐ数字に表れないことです。売上や納期のように締め切りがあるわけでもなく、後回しにしても今日は困らない。だからこそ、緊急ではないが大切なこととして、静かに後ろへ回されてしまいます。

けれど、緊急ではないが重要なことに先に手を入れる。それが、経営でも健康でも効いてくる考え方です。今日の小さな一手が、数年先の自分を支えます

不調のサインを気合で乗り切ってしまう

眠りが浅い、疲れが抜けない、食欲が落ちている。体は小さなサインを送っています。ところが忙しさの中では、そのサインを「気のせい」と片づけ、気合で乗り切ってしまいがちです。

サインに早めに気づけるかどうかが、分かれ道です。次章では、経営者が押さえておきたい健康管理の土台を、5つに整理してご紹介します。

多忙な経営者が押さえたい健康管理の5つの土台

健康管理と聞くと大がかりに感じますが、土台はシンプルです。睡眠・食事・運動・メンタル・定期健診の5つに整理できます。すべてを完璧にする必要はなく、いまできる最小の一歩から始めるという考え方もあります。

睡眠:まず削らないと決める

5つの中で、最初に守りたいのが睡眠です。睡眠が足りないと、判断力も気力も落ち、他の習慣まで崩れやすくなります。逆に眠りが整うと、日中の集中が保ちやすく、心の余裕も生まれます。まず「寝る時間は削らない」と決めるところから始めてみてはいかがでしょうか。

とはいえ、経営者が毎日たっぷり眠るのは難しい面もあります。就寝と起床の時刻をできるだけ一定に保つ、寝る前の画面を控える。小さな工夫の積み重ねが、限られた時間の睡眠の質を底上げしてくれます。

食事と運動:ながらでも整える

食事と運動は、まとまった時間を取れなくても整えられます。会食が続くときは、翌日の一食を軽くして調整する。移動を一駅分歩く、階段を選ぶ。そうした「ながら」の工夫でも、体は少しずつ応えてくれます。

医師が経営者向けに健康管理を語る動画でも、大切なのは特別な運動より日常の中の小さな積み重ねだと繰り返し語られています。ご自身の生活に無理なく溶け込む形を探すことが、続ける近道と言えます。

メンタルと定期健診:不調を早めに見つける

心の健康と、年に一度の定期健診も、欠かせない土台です。経営者は相談相手が少なく、ストレスを一人で抱え込みがちです。心の疲れは体の不調にもつながるため、後の章で触れる「話せる場」を持つことが予防の一歩です。

そして定期健診は、自覚のない不調を早めに見つける機会です。多忙を理由に先延ばしにせず、毎年の予定として先に手帳へ書き込んでおく。この一手間が、大きな安心を生みます。5つの土台を、下の表に整理してみました。

経営者の健康管理を支える5つの土台

土台なぜ大切か今日の最小の一歩
睡眠判断力と気力の就寝時刻を一定にする
食事体調の土台を作る会食翌日は一食を軽く
運動体力と気分の維持一駅歩く・階段を選ぶ
メンタル孤独と向き合う話せる相手・場を持つ
定期健診不調を早期発見年1回を先に手帳へ記入

完璧を目指さず、いま守れそうな一つから。無理のない範囲で崩さないことが、長く続ける秘訣です。

朝の生活リズムが経営者の健康を支える理由

5つの土台をよく見ると、その多くが朝の時間の使い方とつながっています。起床の時刻、朝の食事、体を動かす習慣。一日の入り口である朝が整うと、生活全体のリズムも安定しやすくなるはずです。

朝が整うと一日が整う、健康の好循環
1

決まった時刻に起きる

2

朝日を浴び体内時計が整う

3

日中の集中が保てる

4

夜に自然な眠気が訪れる

↻ そしてまた、決まった時刻の起床へ
朝のひと工夫が、一日ぜんたいの調子を支えます

朝の一定リズムが自律神経を助ける

決まった時刻に起き、朝の光を浴びる。この習慣は、体内時計を整える助けになると言われています。体内時計とは、一日のリズムを刻む体内の仕組みのこと。これが安定すると、活動と休息を切り替える自律神経も働きやすくなり、日中は動きやすく、夜は自然な眠気が訪れやすくなります。睡眠の質と朝の過ごし方は、静かに手を取り合っています。

朝を整える具体的な工夫については、文京区で朝活を始めるには?|ビジネスに活きる朝時間の作り方でも丁寧にご紹介しています。あわせてご覧いただくと、無理のない始め方を描きやすくなるはずです。

朝に学びと交流の場を持つという選択

朝の時間を、一人で過ごすだけでなく、学びや交流にあてるという選択もあります。私たち湯島倫理法人会のモーニングセミナーは、その一例です。毎週決まった時間に集うことで、一週間の生活リズムが自然と整うと感じる方が多くいらっしゃいます。

早朝に集うと聞くと大変そうに思えますが、実際の運営はごくシンプルです。下の表に、湯島倫理法人会モーニングセミナーの朝の実際をまとめました。

湯島倫理法人会モーニングセミナーの朝の実際

開催毎週月曜日の早朝
朝礼6時30分ごろから
本番セミナー7時00分〜8時00分
会場文京区湯島3-6-1 全国家電会館1階
ゲスト参加無料(初めての方も歓迎)

朝の学びの場については 経営者モーニングセミナーとは|朝に学ぶ社長が得る3つのもの でも整理しています。

朝に体を起こし、人と顔を合わせ、講話に耳を傾ける。この一連の流れそのものが、生活リズムを整える装置のように働きます。健康のために早起きを、と気負わなくても、通う場があると自然と朝型が続きやすくなるものです。

一人で抱え込まないことも健康管理のうち

経営者の健康は、体だけの話ではありません。孤独な判断を続ける心の負荷も、静かに体をむしばみます。眠れない夜が増える、食欲が落ちる。心の疲れは、しばしば体のサインとして現れます。

経営者の孤独と心身の関係

最終的な決断は、いつも経営者一人の肩にかかります。相談できる相手が少ないほど、その重さは心にも体にも積み重なっていきます。孤独が続くと、睡眠の質が落ち、判断にも影響が出ることがあります。

孤独そのものを消すことは難しくても、和らげる工夫はあります。経営者の孤独との向き合い方は、経営者の孤独は当たり前?社長が抱える悩みを相談できる場所と解決方法でも掘り下げました。同じ立場の方の視点は、心の荷を少し軽くしてくれるかもしれません。

話せる場を持つという予防策

心身を守る予防策として、弱音を吐ける場を一つ持っておく。これは、想像以上に効き目のある健康管理です。同じ悩みを抱える経営者と言葉を交わすだけで、抱えていたものが少し軽くなることがあります。互いの繁栄を願い合う共尊共生の空気の中でこそ、人は安心して弱音を出せるのかもしれません。

倫理法人会が大切にする心のありようの一つに、明朗(ほがらか)という言葉があります。難しい理屈ではなく、明るく素直に一日を始める姿勢のこと。朝のあいさつひとつでも、その実践のひとつと言えます。仲間とそうした朝を共にすることが、心の健康を静かに支えてくれます。

今日からできる小さな一歩

ここまで、経営者の健康管理を5つの土台と、朝のリズム、そして心の面から見てきました。大切なのは、劇的な変化ではなく、続けられる小さな習慣です。ご自身のペースで、今日ひとつだけ試せそうなことから始めてみてはいかがでしょうか。

まず1週間だけ続けてみる

いきなり生活すべてを変えようとすると、長続きしにくいものです。まずは一つだけ、1週間だけと区切って試してみる。就寝時刻を決める、一駅歩く、健診を予約する。どれか一つで構いません。

小さな成功が積み重なると、次の一歩も踏み出しやすくなるものです。うまくいかない日があっても、気にしすぎる必要はありません。私たち編集部も、迷いながら続けている一員です。ご自身に合うやり方を、そっと探していけたらと存じます。

朝の学びの場にゲスト参加してみる

もし朝のリズムを整えるきっかけがほしいと感じられたら、朝の学びの場に足を運んでみるのも一つの方法です。決まった時間に通う予定があると、早起きが習慣として根づきやすくなるものです。仲間との交流は、心の健康の支えにもなります。

湯島倫理法人会のモーニングセミナーには、初めての方もゲストとしてお気軽にご参加いただけます。次章で、ゲスト参加のご案内をお伝えします。

経営者の健康管理を、朝の学び合いから

健康管理は、一人で黙々と続けるより、仲間と共に整えるほうが長続きするものです。同じように体と心を大切にしたい経営者と、朝の時間を分かち合う。そんな場に身を置くことが、無理のない後押しになるのではないでしょうか。

湯島倫理法人会では、毎週月曜の朝に開くモーニングセミナーへ、どなたでも無料でゲスト参加していただけます。早朝に経営者が集い、講話に耳を傾け、近況を語り合う。勧誘の場ではなく、等身大の学びと交流の時間です。会場は東京都文京区湯島の全国家電会館、東京メトロ千代田線「湯島駅」からすぐの場所です。

初めてのゲスト参加が当日どのように進むのかは、倫理法人会モーニングセミナーの参加方法|初参加で迷わない朝の流れでご案内しました。合わないと感じられたら、いつでもそっと離れていただいて構いません。まずは気負わず、朝の空気に触れてみる。皆様のゲスト参加を、心よりお待ち申し上げます。

よくあるご質問

経営者の健康管理について、多くの方が抱かれる疑問を、Q&A形式で整理しました。取り組みを迷っておられる方の、判断の材料になれば幸いです。

経営者の健康管理|よくあるご質問
Q1最初に取り組むべき健康管理は?
多くの専門家が土台に挙げるのは睡眠です。まずは「寝る時間を削らない」と決めるところから始めてみてはいかがでしょうか。
Q2忙しくて運動の時間が取れません
一駅分を歩く、階段を選ぶなど、日常の動作に少しずつ運動を織り込む方法もあります。無理なく続く形を探してみてください。
Q3朝型に変えると体調は整う?
個人差はありますが、起床と就寝の時刻を一定にすると生活リズムが安定しやすいと言われています。負担にならない範囲でどうぞ。
Q4孤独と健康は関係がある?
孤独な判断が続く心の負荷は、睡眠の質や体調に影響することがあります。話せる仲間や場を持つことが予防になります。
Q5モーニングセミナーへの参加方法は?
毎週月曜の朝、文京区湯島で開催しています。初めての方もゲストとしてお気軽にご参加いただけ、ゲスト参加は無料です。

経営者が最初に取り組むべき健康管理は何ですか

多くの専門家や公的なガイドが土台に挙げるのは睡眠です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、成人は6時間以上が目安とされています。まずは寝る時間を削らないと決めるところから始めてみてはいかがでしょうか。土台が整うと、他の習慣も自然と続けやすくなるでしょう。

忙しくて運動の時間が取れません。どうすればよいですか

まとまった運動時間を確保できなくても大丈夫です。エレベーターを階段に変える、移動を一駅分歩くなど、日常の動作に少しずつ運動を織り込む方法もあります。ご自身の生活に無理なく溶け込む形を探すことが、長く続ける近道と言えるでしょう。

朝型に変えると本当に体調は整いますか

個人差はありますが、起床と就寝の時刻を一定にすると、生活リズムが安定しやすいと言われています。私たち湯島倫理法人会でも、毎週決まった時間に集うことで一週間が整うと感じる方が多くいらっしゃいます。ご自身の負担にならない範囲で試してみてください。

経営者の孤独と健康は関係がありますか

はい、深く関わります。孤独な判断が続く心の負荷は、睡眠の質や体調に影響することがあります。弱音を話せる仲間や場を持つことは、心身を守る予防策のひとつだと私たちは考えています。同じ立場の経営者との交流が、心の荷を軽くしてくれます。

湯島倫理法人会のモーニングセミナーはどう参加できますか

毎週月曜の朝、東京都文京区湯島で開催しています。初めての方もゲストとしてお気軽にご参加いただけ、ゲスト参加は無料です。詳しくは、モーニングセミナーのご案内ページをご覧ください。皆様のご参加を、心よりお待ちしております。

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