「そろそろ後継者のことを考えないと」——そう思いながらも、日々の経営に追われて、なかなか一歩を踏み出せずにいる方は少なくないのではないでしょうか。私たち湯島倫理法人会の学びの場でも、この話題は折に触れて出てまいります。事業承継と後継者不在は、いま日本の中小企業経営者に共通する、静かで重いテーマです。
本記事では、事業承継と後継者不在をめぐる現状を整理したうえで、「候補者探し」の前に向き合いたい5つの問いを、湯島倫理法人会の学びから見た視点でご一緒に考えていきます。読み終えたときに、静かに次の一歩が見えてくる——そんな一冊としてお役に立てれば嬉しく思います。
事業承継と後継者不在は、いま多くの中小企業経営者が静かに抱えているテーマです
事業承継と後継者不在は、決して一部の会社だけの問題ではなく、日本の中小企業全体に広がっている静かなテーマです。中小企業庁の調査でも、経営者の高齢化と後継者未定は年々深刻化しており、「まだ元気だから」の先送りが、後の選択肢を狭めていく構造が浮かび上がってきます。
湯島倫理法人会の学びの場でも、事業承継のテーマは折に触れて出てまいります。答えをすぐ差し出すというより、同じ立場で静かに聴き合う——そんな時間から、多くの気づきをいただいてきました。
| 指標 | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 全国企業の後継者不在率(2023年) | 53.9% | 帝国データバンク(2023年11月) |
| 事業承継の一般的な準備期間 | 5〜10年 | 中小企業庁『事業承継ガイドライン』 |
| 廃業理由に占める「後継者不在」の割合 | 約3割 | 中小企業白書・関連調査 |
| 事業承継・引継ぎ支援センターの設置 | 全国47都道府県 | 中小企業庁(委託事業) |
帝国データバンク調査では、国内企業の後継者不在率は依然として高い水準
後継者不在率が53.9%(2023年)という数字は、決して一部の業種や地域に偏った現象ではありません。全国企業を対象にした帝国データバンクの継続調査でも、2020年代前半を通じて後継者不在率は5割前後で推移しており、業種を問わず広がっているテーマだと言えます。
「うちだけの悩みではないのだ」と分かるだけでも、少し肩の力が抜ける方もいらっしゃるかもしれません。私たちの学びの場でも、同じ悩みを共有できる場があること自体が、判断を落ち着かせる支えになっていると感じます。
「まだ元気だから大丈夫」の先送りが、後の選択肢を狭めてしまいがちです
事業承継の準備には、一般的に5〜10年の時間が必要と言われています。ご自身の年齢と健康を静かに見つめたとき、「今すぐ決めなくても」という感覚が、実は最も選択肢を狭めているのだと気づく——そんな瞬間が訪れるものです。
もちろん、今日決められないことをご自身を責める必要はないと感じます。ただ、決めない時間の質を上げるためにも、まず現状を紙に書き出す——そんな小さな一歩から始めてみられてはいかがでしょうか。
湯島の会員経営者からも「気づいたら70代になっていた」という声を伺います
湯島倫理法人会のモーニングセミナー後の朝食会や、湯島つながりラボの交流の時間でも、事業承継の話題は自然と交わされます。「気づいたら70代になっていて、慌てて動き始めた」という率直なお声を伺うと、時間の流れの速さを改めて痛感するものです。
私たちも同じ経営者の一員として、日々学ばせていただく一員です。だからこそ本記事も、答えを差し出すというよりは、共に考える時間としてお読みいただけたら嬉しく思います。
なぜ「事業承継」と「後継者不在」がここまで語られるようになったのか
この10〜20年で、事業承継をめぐる景色は静かに、しかし確実に変わってきました。経営者の高齢化・家族観の変化・職業選択の自由・人口動態の変化——複数の要因が重なって、いまの「後継者不在」という状況が生まれました。ここでは、背景を少し立ち止まって整理してみます。
背景を知ると「うちの会社だけが特殊なわけではない」と感じられ、感情的な焦りが少し和らぐことが多いものです。
経営者の平均年齢が上がり、団塊世代の引退期と重なっている
中小企業庁の資料によれば、中小企業の経営者年齢のボリュームゾーンは60代後半から70代に移りつつあります。かつて経営の中心を担った団塊世代が一斉に引退期を迎え、次の世代への橋渡しが待ったなしの局面に入ってきたと言えます。
この構造変化は、一社の努力だけで解決できるものではなく、社会全体でゆるやかに支え合っていくテーマでもあります。だからこそ相談窓口や公的支援も、ここ数年で急速に整えられてきていると感じます。
後継者候補ご本人の職業選択の自由が広がり、家業を継ぐ前提が薄れた
かつては「家業は継ぐもの」という空気があり、ご子息・ご息女が自然と家業に入る流れが一般的でした。いまはその前提が薄れ、ご本人の職業選択の自由を尊重する家庭が主流になってきました。これは決して悪い変化ではなく、むしろ健全な社会の成熟と捉えられます。
そのうえで、経営者ご自身は「家業を継いでくれるはず」の前提を静かに手放し、複数の選択肢を並べて考える柔軟さが求められているように感じます。
廃業理由の約3割が「後継者不在」——これは失われる技術と雇用でもあります
事業承継M&Aの現場を発信する動画のなかで、廃業理由の約3割が後継者不在であるという指摘に触れました(『廃業理由の3割は後継者不在』事業承継M&Aチャンネル)。この数字が意味するのは、経営者お一人の課題を超えて、地域の雇用と技術が失われるリスクだという事実です。
私たちも湯島の学びの場で、地域の担い手として長年会社を守ってこられた会員経営者の姿から、事業を続けることの重みを教えていただく日々です。
問い①|「そもそも何を、次の世代に引き継ぎたいのか」を言葉にする
事業承継の第一の問いは、「候補者探し」ではなく「引き継ぎたいものの中身」を言葉にすることです。事業なのか、雇用なのか、屋号なのか、地域との関係なのか——ここが定まると、打ち手の順番が自然に整ってきます。
私たちも湯島の学びの場で、この問いに真摯に向き合う会員経営者の姿から、多くを学ばせていただく機会をいただいてきました。
「守りたいもの」を1枚の紙に書き出してみる時間をつくる
まず、静かな朝の時間などに、A4の紙を1枚用意していただき、「私がこの会社で守りたいもの」を思いつくままに書き出してみるのはいかがでしょうか。事業、雇用、社員一人ひとりの人生、屋号、取引先との信頼、地域とのご縁——順番は問いません。
書き出したあと、優先順位を静かにつけていくと、いま自分が本当に大切にしているものが浮かび上がってきます。この作業は、判断の軸そのものを整える時間になると感じます。
事業・雇用・屋号・技術・地域——どれを最優先にするかで景色が変わる
「事業を続けること」を最優先に置く方と、「社員の雇用を守ること」を最優先に置く方とでは、選ぶ道が変わってきます。前者ならM&Aや第三者承継が有力な選択肢に、後者なら従業員承継や段階的な事業縮小が視野に入ります。
正解はひとつではありません。ご自身が何を最も大切にしたいのかを言葉にすることが、実はいちばん時間のかかる、そしていちばん大切な工程となります。
湯島の会でも、この問いに向き合う会員の姿から多くを学ばせていただいています
湯島倫理法人会のモーニングセミナーでは、ときに事業承継を経験された経営者の講話をお聞きすることがあります。「何を残したかったか」を言葉にできるまでに何年もかかった——というお話は、私たちにとっても大切な学びのひとつです。
一人で抱え込むのではなく、同じ立場の仲間と静かに語り合う時間が、この問いへの答えを少しずつ育てていくのかもしれません。
問い②|「準備にかけられる時間」を、正直に見積もる
事業承継の準備には、一般的に5〜10年の時間が必要と言われています(中小企業庁『事業承継ガイドライン』)。ご自身の年齢・健康・会社の状況を重ねて見たとき、「あと何年、経営に立てるのか」を静かに見積もることも、大切な準備のひとつです。
時間軸を見える形にすると、感覚的に「まだ大丈夫」だった判断が、少し違って見えてくることもあります。
60代前半までに「大枠の方向性」を決めておくと選択肢が広がる
一般的な目安として、60代前半までに大枠の方向性を決めておくと、後の選択肢を広く保てるといわれます。親族内・社内・第三者承継のいずれを軸にするかを仮に決めておくだけでも、その後の準備の解像度が変わってきます。
もちろん、あくまで目安ですので、ご自身のペースを尊重されるのがいちばんです。ただ、大枠だけでも仮置きしておくと、意思決定の負担が少し軽くなると感じます。
5〜10年の育成期間を逆算すると、動き始めの目安が見えてくる
後継者の育成期間は、一般に5〜10年が目安とされます。もし70歳での引退を仮に想定するなら、逆算して60〜65歳の時点で候補者と対話を始めるのが自然な流れです。
数字で見ると、「そろそろ、というよりむしろ、もう始めていい時期なのかもしれない」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。焦る必要はありませんが、時間軸を可視化することそのものが、次の一歩を後押しします。
「今日決めない」という決断も、時間軸を意識してこそ意味を持ちます
「今日は決めない」という選択も、決して悪いことではありません。ただし、時間軸を意識しないままの「先送り」と、時間軸を意識したうえでの「今日は決めない」は、まったく別物です。
「決めないこと」も、意識的な決断のひとつ——この視点を持てるかどうかで、その後の余裕が大きく変わってくるように感じます。
問い③|「家族の思い」を、一度きちんと聴く時間があるか
事業承継の話は、ご家族との関係と切り離すことはできません。ご子息・ご息女に「継ぎたいか、継ぎたくないか」を率直に問うのは、経営者にとってとても勇気の要ることだと想像します。私たちも、家族と静かに向き合われた会員経営者の姿から、その一歩の重さを教えていただく機会をいただきました。
家族の対話は、一度で終わるものではなく、時間をかけて育てていくものだと感じます。
「継いでほしい」を伝える前に、まず相手の思いを聴く順番を大切に
家族対話で最初につまずきやすいのは、「継いでほしい」という自分の願いを先に伝えてしまうことです。相手の職業観・人生観・現在の仕事への思いを静かに聴く時間を先に置くと、その後の対話の質が変わってきます。
順番を変えるだけで、対話の空気は大きく変わります。伝えたい気持ちを一度だけ胸に留めて、相手の言葉にじっくり耳を傾けてみる——そんな小さな工夫が、思わぬ扉を開くこともあります。
配偶者・兄弟姉妹との温度差にも、少しずつ橋をかける
事業承継の話は、後継者候補ご本人だけでなく、配偶者・兄弟姉妹・場合によっては親戚まで広がっていきます。それぞれの立場で思いは異なるものですから、温度差があるのはむしろ自然です。
一度で全員の合意を取ろうとせず、まずは主要なご家族と少しずつ橋をかけていく——そんな段階的なプロセスを設計されると、心の負担も分散されるのではないでしょうか。
答えを急がず、家族の対話そのものを1年単位で育てる考え方
家族の対話は「決着」を目指すというより、「対話そのものを育てる」姿勢が合っているように感じます。1年後、2年後にどんな景色になっていたいかを、静かに描きながら進めていく——このゆるやかさが、結果として最短距離になることも多いものです。
私たちも、この時間の流れ方に一緒に伴走できたら嬉しく思います。
問い④|「社員と取引先」に、いつ・どう伝えるかを設計しているか
事業承継の話は、当事者だけの問題ではなく、長年支えてくださった社員や取引先の暮らしと直結します。だからこそ、いつ・どのタイミングで・どの範囲まで共有するかを、専門家と共に慎重に設計していく必要があります。
情報開示の順番と言葉選びを、事前に静かに準備しておくことが、周囲の不安を和らげる支えになります。
社員には「事実」だけでなく「これからも変わらないこと」も併せて伝える
社員への説明で大切なのは、変わることだけでなく「変わらないこと」を明確に伝えることです。給与体系・雇用・企業文化・取引先——変わらないと約束できる範囲を先に示すと、変化への不安が和らぎます。
もちろん、変わる部分については誠実にお伝えする必要があります。ただ「変わらないこと」を先に置くことで、社員一人ひとりの安心の土台が守られるように感じます。
取引先への説明は、金融機関・仕入先・大口顧客の順で段階的に
取引先への情報開示は、通常「金融機関→主要仕入先→大口顧客→その他」の順で段階的に進められます。金融機関には最も早く共有する必要があり、これは融資条件や保証との関係で避けられません。
順番を誤ると信頼を損ねるリスクがあるため、事業承継の専門家と一緒に、公表スケジュールを事前に組んでおくのが安全です。中小企業庁の事業承継・引継ぎ支援センターでは、こうしたスケジュール設計の相談も無料で受けられます。
「不安を煽らない共有」のために、専門家と事前にシナリオを用意する
情報が伝わる順番は、必ずしも経営者の意図通りにはいきません。だからこそ、想定外のルートで話が広がったときのバックアッププランまで含めて、専門家と事前にシナリオを用意しておくのが安心です。
「もし〇〇さんから聞かれたら、こう答える」というシナリオを1枚にまとめておくだけでも、いざというときの心のゆとりが違ってきます。
問い⑤|「相談できる仲間」が社外にいるか——経営者の孤独と後継者問題
後継者不在の悩みは、社内でも家庭でも、なかなか本音では話せないテーマだと感じます。だからこそ、社外に「同じ立場で静かに聴いてくれる仲間」がいるかどうかが、判断の質を大きく左右するのではないでしょうか。湯島倫理法人会も、そうした学びと対話の場のひとつでありたいと願うところです。
社外の仲間は、答えを与えてくれるというよりは、問いを深めてくれる存在となります。
- 事業承継・引継ぎ支援センター(全国47都道府県)
- 商工会議所・よろず支援拠点
- 初回相談は無料・匿名相談も可
- 「まだ具体的でない」段階から相談OK
- 湯島倫理法人会などのモーニングセミナー
- 業界団体・地域の経営者会
- 答えより「問いを深める」場として
- 湯島はゲスト参加・無料でお気軽に
- 税理士・弁護士・M&A仲介・FA
- 株式・税務・法務の実務を担う
- 公的窓口経由の紹介も可能
- 方向性が定まった段階から依頼
商工会議所・よろず支援拠点・事業承継引継ぎ支援センターは無料で相談できる
事業承継について、まず頼りにできる公的窓口は「事業承継・引継ぎ支援センター」です。中小企業庁の委託事業として全国47都道府県に設置されており、初回相談は無料で受けられます(事業承継・引継ぎ支援センター 公式サイト)。
商工会議所や、都道府県の「よろず支援拠点」でも、事業承継の相談を受け付けているとのことです。まずは電話1本、そんな軽い一歩から始めていただけたらと思います。
経営者同士の学びの場——湯島倫理法人会のモーニングセミナーもそのひとつ
経営者同士が同じ立場で語り合える場も、判断の質を大きく変える資源です。湯島倫理法人会のモーニングセミナーは、毎週月曜日の7:00〜8:00に開催されており、初めての方はゲスト参加としてお越しいただけます。
朝の学びのあとには8:40までの朝食会もあり、事業承継を含む経営者の課題を、率直に語り合える時間が広がります。私たちもご一緒に、静かに歩んでいけたら嬉しく思います。
「決めない時間」を、ひとりで抱え込まない工夫を持ちたい
答えが出ない時間ほど、ひとりで抱え込みがちなものです。しかし、答えが出ないことそのものを共有できる場があると、その時間の重みが少し軽くなると感じます。
湯島のような学びの場に限らず、地域の経営者コミュニティ・業界団体・同期の経営者との定期的な会——ご自身に合った場を、ぜひ複数持たれてみてはいかがでしょうか。
5つの問いのあとに——具体的な選択肢を整理したいときは
5つの問いに向き合い、ご自身の中で少しずつ景色が見えてきたら、次は「では、どの選択肢を選ぶか」という具体の検討に進んでいきます。親族内承継・社内承継・M&A・従業員承継・段階的リタイア——道はひとつではありません。
選択肢を並べて整理する作業は、感情的な焦りを鎮め、冷静な判断を助けてくれます。
選択肢の全体像は「後継者不在への対策|7つの選択肢」の記事で整理しています
具体的な選択肢を一覧で整理したい方には、姉妹記事として 後継者不在への対策|中小企業が今日から始められる7つの選択肢 をご用意いたしました。親族内・社内・M&A・従業員承継・段階的リタイア・相談先など、7つの選択肢を並べて考えられる構成となっております。
本記事の5つの問いを終えたあとの一冊として、あわせてご覧いただけたら嬉しく思います。
「今週できること」に落とし込むと、行動の抵抗が下がっていきます
大きな決断は、一気に進める必要はありません。「今週できること」「今月できること」「半年以内にできること」——時間軸ごとに小さな行動に分けると、着手の心理的な抵抗が下がっていきます。
たとえば今週なら、決算書3期分を1冊にまとめてみるだけでも、次の相談窓口でのやりとりが格段にスムーズになります。
私たちもご一緒に、次の一歩を静かに考えていけたら嬉しく思います
湯島倫理法人会は、事業承継の専門機関ではありません。ただ、同じ経営者の立場で静かに語り合える場としては、少しでも力になれるかもしれないと感じています。
ご興味のある方は、モーニングセミナーへゲスト参加としてお越しください。朝の1時間が、思いがけない出会いと気づきの入口になることもあります。
事業承継と後継者不在は、答えを急がず、問いを持ち続けることから始まる
ここまで5つの問いをご一緒に見てきましたが、いきなり大きな決断をする必要はありません。まずは問いを持ち続け、身近な相談窓口を一つ訪ねてみる——それだけで、次に見える景色が少し変わってくることも多いものです。私たちもご一緒に、静かに歩んでいけたら嬉しく思います。
答えは急がなくていい。ただ、問いだけは、持ち続けたい——事業承継と後継者不在は、そんなテーマだと感じています。
今週できること:現状の株式構成と決算3期分を1冊にまとめてみる
まず今週の一歩として、現在の株式構成と決算書3期分を1冊のクリアファイルにまとめてみるのはいかがでしょうか。相談窓口に行く際、この1冊があるだけで、話が格段に具体的に進みます。
情報を1箇所に集める作業は、意外にご自身の頭の中の整理にもつながります。事業の現在地を静かに見つめる時間にもなるはずです。
今月できること:事業承継・引継ぎ支援センターに一度電話をしてみる
今月の一歩として、事業承継・引継ぎ支援センターに一度お電話をしてみるのはいかがでしょうか。初回相談は無料で、匿名でのご相談も可能です。
「まだ具体的に決まっていないのですが」というところから始めても構いません。むしろ、そうした早い段階でのご相談こそ、選択肢を広く保つ助けになると言われています。
半年以内にできること:家族と一度、率直に将来を話す時間をつくる
半年以内の一歩として、ご家族と一度、事業と将来について率直に話す時間をつくられてはいかがでしょうか。答えを一度で出す必要はなく、「対話を始めること自体」を目的にしていただければと思います。
私たち湯島倫理法人会 編集部も、日々学ばせていただいている一員として、皆様の歩みをご一緒に見つめていけたら嬉しく思います。ご興味のある方は、湯島のモーニングセミナーへゲスト参加としてお越しください。
よくあるご質問(事業承継と後継者不在)
Q1. 事業承継の準備は、いつから始めればよいのでしょうか?
一般的には5〜10年の準備期間が必要と言われています。ご自身が60代に入られたタイミングで、少しずつ選択肢を整理し始めるのがひとつの目安ではないかと感じています。ただ、業種やご家族の状況によっても大きく変わるため、まずは無料の相談窓口で客観的に見立てていただくと、次の一歩が見えやすいかもしれません。
Q2. 後継者不在のまま経営を続けるのは、やはり避けるべきなのでしょうか?
「決めないまま続ける」ことにも、実はいくつかの現実的な選択肢があります。事業規模を静かに縮小しながら続ける方、業界内での譲渡機会を待つ方、公的支援センターに相談しながら情報を集める方——いろいろな形があります。大切なのは「ひとりで抱え込まない」ことではないかと、私たちの学びの場でも感じることが多いです。
Q3. 家族に「継いでほしい」と切り出すのが、なかなかできません。
多くの経営者がまさに同じことでお悩みだと感じます。まずは「継いでほしい」を伝える前に、相手の思いを静かに聴く時間から始めてみられてはいかがでしょうか。答えを1回の会話で出そうとせず、1年単位で対話を育てていく——そんな時間の使い方も、ひとつの選択肢だと思います。
Q4. M&Aは、規模の小さい会社でも本当に相手が見つかるのでしょうか?
近年、中小規模のM&A件数は増加傾向にあると言われています。売上規模が小さくても、特定の技術や地域基盤、安定した顧客をお持ちの会社であれば、意外な業界から関心を寄せられることも少なくないようです。まずは事業承継・引継ぎ支援センターなど公的窓口で、無料の初回相談を受けてみる方法もあります。
Q5. 湯島倫理法人会では、事業承継について相談できる場はありますか?
湯島倫理法人会は事業承継の専門機関ではありませんが、モーニングセミナーの前後や交流の時間に、同じ立場の経営者と率直に語り合える場があります。答えを教えていただけるというよりは、共に学び、静かに考える仲間が見つかる場としてご活用いただけたら嬉しく思います。ご興味のある方は、一度ゲスト参加してみてください。会場は文京区・湯島3-6-1の全国家電会館1階、毎週月曜日の7:00〜8:00に開催しています。参加費は無料です。
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