「専任幹事を、辞めたい」。そう書き留めた夜から、会の景色はどう変わったのか──

2026年9月21日、第1129回湯島倫理法人会モーニングセミナーの講話は、専任幹事として二期目を迎えた飯塚昭博氏です。テーマは「実践して見つけた価値〜専任幹事二期目、一年の気づきと決意〜」。数字の成果よりも先に語られたのは、一度は会を離れようと考えた正直な告白でした。一人で抱え込んでいるものは、ありませんか。

スクリーンを指し示しながら、笑顔で語り始める飯塚昭博氏
スクリーンを指し示しながら、笑顔で語り始める飯塚昭博氏

20年のバトンの上に立って

講話は、諸先輩への感謝から始まりました。昨年の20周年記念祝賀会に向けて記念パンフレットを作る際、飯塚氏は会の歴史を調べ、歴代会長の皆さんにもお話を伺ったといいます。初代会長が就任したのは2004年2月。飯塚氏が入会する16年も前のことです。後楽園から文京区中央、そして湯島へ。「先輩たちが20年つないでこられたものの上に、立たせてもらっているだけ」。そう静かに語りました。

令和8年度の歩みには、はっきりした数字も残っています。Google検索に湯島のページが表示された回数は、2025年9月の2,481回から、2026年7月には29,528回へ。約12倍です。モーニングセミナーの参加率も27.2%から38.4%に伸びました。

「2,481回→29,528回」のスライドを前に、昨年度を振り返る
「2,481回→29,528回」のスライドを前に、昨年度を振り返る

それでも飯塚氏は、この一年、一度も参加を強制しなかったといいます。「強制して作る数字は続かない。来たくなる空気作りこそが本質」だと考えていたからです。一方で、会員数や朝礼の参加率、ゲストフォローなど、届かなかった目標も包み隠さず並べました。現場では多くの方が動いてくれたのに、運営は三役で抱え込んでいた。そのうえで「皆さんが動かなかったのではありません。オープンにできていなかった、私の問題です」と言い切ったのです。

「辞めたい」と打ち明けた先にあったもの

専任幹事の仕事は、片づけたそばから次がやってきます。ある日、飯塚氏は自身のブログにこう書きました。

「20周年の準備に追われて、本業の発信が止まっている。発信を生業とする会社の発信が止まっているのは、目も当てられない」

倫理が仕事を圧迫しているのではないか。そう感じた時期には、専任幹事どころか、湯島倫理法人会そのものを辞めたいと考えたといいます。じつは飯塚氏には、誰にも言わないまま半年ほど会から足が遠のいた過去がありました。「同じことをやっていては、また同じ結果が来る」。だから今回は、打ち明けると決めたのです。

飯塚昭博氏が相談した相手は、藤井真由美会長と野田久美子事務長でした。昨年9月1日から今年8月31日まで、月曜日は53回。モーニングセミナーのあと、三人は毎回顔を合わせて本音で話し合ってきました。しんどい話も、その場で聞いてもらえたのです。

「相談できる人がいたから」。辞めなかった理由を、飯塚氏はそう振り返ります。意志の強さではなかったのです。

誰にでも、弱音を飲み込んでしまう夜があるはずです。

抱え込みは、成長の機会の横取りだった

三役が一年間こなしてきた仕事をすべて書き出して分解すると、57のお役になりました。三人で抱えていたのだから、振り回されて当然だったのかもしれません。

転機になったのは、東京都倫理法人会の専任幹事研修「愛和塾」で聞いた言葉でした。

「お役から逃げることは、人生最大の損である」
「お役とは、プラチナチケットである」

「抱え込んでいたのは親切ではなく、57人分の成長の機会の横取りでした」と、飯塚氏は振り返ります。以前は申し訳なく感じていた頼みごとも、プラチナチケットを手渡すのだと捉え直すと、会の映り方が変わっていきました。

この一年で見つけた価値を、飯塚氏は三つにまとめています。自分の信念に自信を持つこと、人を信じて頼ること、そしてコツコツ続けることです。「湯島は、絶対にもっと良くなれる」。一年前に手を挙げたとき、その思いに根拠はなかったと言いかけて、飯塚氏はすぐに訂正しました。「根拠は、ありました。湯島の仲間、皆さんの存在です」。信念は結果が出てから持つものではなく、行動の前に置くものだったのです。

令和9年度は、この反省をそのまま土台に据えます。57のお役は方針説明会で立候補を募り、原則として正・副の2名体制に。三役の打ち合わせは五役会に広げ、毎週火曜20時に開いています。ゲストフォローの担当を見える化するボードも動き出しました。さらに、モーニングセミナー後の月曜9時半から開いているゆしラボ(湯島つながりラボ)に、今期から平日夜のゆしラボオンラインが加わります。第1回は9月25日(金)20時。月曜の朝に来られない方にも、湯島とつながる入口を増やしていくのです。目標は、在籍73社から130社。この数字は、会員から声が上がって決まったものだといいます。

「お役を、受け取ってください」と会員に呼びかける飯塚昭博氏
「お役を、受け取ってください」と会員に呼びかける飯塚昭博氏

当たり前だと思っていた「引き受ける側」の苦労は、じつは誰かに手渡せる贈り物なのかもしれません。

まとめ──共に学び、実践する一歩を

湯島倫理法人会 専任幹事で、コントリ株式会社代表取締役の飯塚昭博氏の講話は、組織を率いる立場の人ほど一人で抱え込みやすい、という現実を率直に見せてくれました。この日の『万人幸福の栞』第5条「夫婦は一対の反射鏡」にも通じるように、自分の在り方が変わると、周りの映り方も変わっていく。そんな学びがあった朝です。

最後に飯塚氏は、会員へ三つのお願いを伝えました。「お役を、受け取ってください」「一年に3人。4ヶ月に1人で構いません」「しんどくなったら、言ってください」。そして「必要なのは強い意志ではなく、隣にいる仲間です」と結びました。

湯島倫理法人会では、毎週月曜日の朝7時から全国家電会館でモーニングセミナーを開催しています。どなたでもゲスト参加いただけますので、ぜひ一度お越しください。

「黙って、消えないでください」。飯塚氏のこの言葉を胸に、今年度もコツコツと歩んでいきましょう。

この日のモーニングセミナー

講師プロフィール

飯塚 昭博(いいつか あきひろ)
湯島倫理法人会 専任幹事/コントリ株式会社 代表取締役

栃木県出身。大学卒業後、大手自動車会社で工場の生産設備の調達業務に12年間携わる。その後4年間、外資系企業で営業を経験。2020年12月に湯島倫理法人会へ入会し、副事務長、副専任幹事を経て専任幹事に就任、令和9年度で二期目を迎える。2024年3月19日にコントリ株式会社を設立。自社メディア「コントリ〜ご縁でつながる経営者インタビューメディア〜」をはじめとするメディア運営の経験を活かし、縁あって関わる企業の「蓄積型発信」を支援している。

関連記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP