今回は、東京都倫理法人会大江戸地区で地区長を務められる木村光範氏が、ご自身の半生を振り返りながら「本当の実践とは何か」について語ってくださいました。優秀な学歴、起業、そして経営危機。輝かしい経歴の裏で、何か大切なものが欠けていた——そのことに気づかれた瞬間から、木村氏の人生は大きく変わり始めたといいます。あなたは、自分自身と真摯に向き合えているでしょうか。
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講師プロフィール
東京都倫理法人会大江戸地区 地区長、一般社団法人IT人材育成フォーラム代表理事を務められる木村光範氏。22歳で起業し、IT業界で長年活躍されてきた経営者です。会社経営の浮き沈みを経験しながら、倫理法人会での学びを通じて「本当の実践」の意味に気づかれた方でもあります。

「できる自分」であり続けようとした半生
木村氏は、幼少期から運動が苦手だったため、勉強に打ち込まれたといいます。成績は全国トップクラス、名門校に進学し、周囲から「できる子」として評価されてきました。しかし、そこには大きな落とし穴があったと振り返られます。
「できている自分でなければいけない」——そんな思い込みが、いつしか木村氏の行動を縛るようになっていきました。大学時代も、社会人になってからも、常に「できる自分」を演じ続けることに必死だった。本を読んで得た知識を振りかざし、実践が伴っていないにも関わらず、うまくいっているように見せかけていた。そんな自分がいたと、率直に語ってくださいました。
私たちも、知らず知らずのうちに「こうあるべき自分」を演じてしまっていることはないでしょうか。
会社経営の挫折とそれでも手放せなかったプライド
22歳で起業された木村氏。最初は順調に見えた会社経営でしたが、従業員の不慮の事故、リーマンショックなどが重なり、会社は急速に傾いていきました。年商3億円から一気に売上が減少し、気づけば2億円もの債務超過を抱える状況に。
それでも木村氏は「できている経営者」を演じ続けたといいます。本で読んだ知識を頼りに、実態とかけ離れた経営指針を掲げ、社員の前では笑顔を見せる。青年会議所や中小企業家同友会でも役員を務め、周囲から「すごいね」と言われることで自分を保っていた——そんな日々だったと明かされました。
倫理法人会に入会してからも、栞を読み、セミナーに参加し、「そこそこやっている自分」を演じていたそうです。しかし、会長3年目のある日、副会長から厳しい言葉をかけられたことが転機となりました。
母への感謝から始まった「本当の実践」
「お前が実践をちゃんとやっていないからこうなるんだ」——その一言で、木村氏はハッと気づかされたといいます。何年も倫理を学んできたはずなのに、実は何も実践していなかった。そのことを認めざるを得なかったのです。
倫理指導で教えられていた「朝日に感謝する」「親・祖先に感謝する」——それを、今度こそ本気でやってみようと決意されました。特に、ずっと軽んじてきた母親に対して、心から「ありがとう」を伝えることができた瞬間、何かが変わり始めたとのことでした。
小さな一歩でしたが、その時に撮った記念写真を仲間に共有したことで「会長、変わったね」と言われるようになり、周囲の協力も得られるようになっていったそうです。自分が「できていない」ことを認め、素直に助けを求められるようになってから、不思議と物事が好転していったと教えてくださいました。
「できていない自分」を認めた先に広がった景色
母への感謝を実践した後、木村氏は次に自分自身の課題と向き合われました。運動が苦手で92キロあった体重を、半年で18キロ減らすと宣言。そして見事に達成されたのです。
会社の債務整理も進み、法的整理を経て借金をゼロにすることができました。現在は、新しい会社で営業統括部長として活躍され、介護会社の役員も務められています。さらに、新しい仕事の機会も次々と訪れているといいます。
「できている自分というプライドを捨てて、真摯に今この瞬間を一生懸命生きていく」——そう決めてから、木村氏の人生は大きく変わっていったのです。

まとめ
一般社団法人IT人材育成フォーラム代表理事としても活躍される木村光範氏の講話から、私たちは大切なことを学ばせていただきました。それは、「できている自分」を演じることよりも、「できていない自分」を素直に認め、今この瞬間を真摯に生きることの大切さです。
倫理法人会での学びは、ただ知識を得るだけでは意味がないということ。本気で実践し、自分自身と向き合ってこそ、人生が変わり始める——木村氏の体験は、そのことを力強く教えてくださいました。
私たちも、木村氏のように小さな一歩から実践を始めてみませんか。湯島倫理法人会では、毎週モーニングセミナーを開催しております。経営者の生の体験談から学び、共に成長していく仲間との出会いが、ここにはあります。ぜひ一度、足を運んでいただけたら幸いです。
人生が変わり始める
小さな実践の一歩が、あなたの人生を大きく変えるきっかけになるかもしれません。
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