「良かったじゃないか」—— 重篤な病気と診断された時、お父様から告げられたこの一言が、どれほど深い愛情に満ちた支えとなったでしょうか。
今回は東京都倫理法人会事務長でグランツ税理士法人代表社員の今井良明氏が、『本と繋がる』というテーマで、ご両親への溢れる感謝と純粋倫理の学びについて、魂を込めて語ってくださいました。
あなたの人生を支えてくれる『本』との繋がりは、何から始まっているでしょうか。
講師プロフィール
東京都倫理法人会事務長・法人レクチャラー、グランツ税理士法人代表社員の今井良明氏。石川県金沢市出身の55歳で、平成9年より公認会計士・税理士として活動されています。湯島倫理法人会では会長職も務められ、現在は東京都倫理法人会の事務長として活躍されている経営者です。
ご両親が石川県倫理法人会で40年近く活動を続けてこられた温かな環境で育ち、ご自身も純粋倫理の学びに深く魂を支えられてこられました。
命のつながりへの深い気づき

今井氏が最初に振り返られたのは、戦時中にご先祖様方が体験された壮絶な出来事でした。
お父様のご家族については、曾祖母様が戦時中に北朝鮮で将校向けホテルを経営されており、昭和20年に8歳だったお父様も家族と共に現地におられました。しかし終戦と同時にソ連軍が侵攻し、家族は命からがら北緯38度線を越えて日本へ引き揚げることとなりました。その過酷な逃避行の中で、お父様の弟にあたる方がお一人亡くなられるという悲しい体験もされたそうです。
一方、お母様のご実家では、祖父様が満州で陸軍として終戦を迎えられました。その後、シベリアに3年間抑留される過酷な体験をされましたが、多くの方が命を落とされる中、奇跡的に生き抜いて日本に復員されました。
「お父様が生きて帰国されなければ、私も命を授かることはなかった」と静かに振り返る今井氏。この言葉の奥には、命のつながりの神秘と、困難を乗り越えて命をつないでくださったご先祖様への深い感謝が込められています。私たちは時として、今この瞬間に生きていることの奇跡を忘れがちではないでしょうか。
人生の要所で響いた父親の的確な助言
公認会計士を目指すことを決めた時、お父様は「合格してもらわないと駄目だな」と愛情深い厳しさを込めて一言。独立開業の際には「人に喜んでもらうような仕事をしたらいいぞ」と、人生の指針となる温かな助言をくださいました。また、新しいビジネスパートナーとの関係について心配された際には「いつか他の人と同じようなことにならなきゃいいな」と、慈愛に満ちた懸念をぽつりと口にされたそうです。
今井氏は結果として、お父様が心配された通りの状況に直面することになりました。倫理法人会の役職を引き受ける時も、お父様は常に「やってみたらいいよ」「意味があるから来たんだからやりなさいよ」と息子の背中を優しく押してくださったといいます。お父様の深い洞察力と、息子を信じて送り出す無償の愛情を感じる瞬間です。
病気告知の日に教わった倫理の真髄

平成30年、今井氏は重篤な血液系の病気と診断されました。仕事上の人間関係、奥様との関係など、心の不調和が重なった時期でした。「最大の親不孝のおそれ」と涙ながらに表現されたこの病気をご両親に報告すると、お父様は2日後に愛する息子のもとへ金沢から急いで駆けつけてくださいました。
その時、倫理経営インストラクターでもあるお父様が最初に口にされたのは「良かったじゃないか」という、愛に満ちた言葉でした。倫理では「苦難は幸福の門」と教えられており、どんな困難も乗り越えることで必ず幸福につながるという深い教えがあります。お父様は息子の病気を、魂の成長のための貴重な学びの機会として、慈しみ深く受け止めてくださったのです。
「しおりの1部と3部を毎日読んだらいい」——そう言って静かに金沢に帰られたお父様。この魂のこもった指導により、今井氏は闘病生活を穏やかな心で過ごすことができました。傾聴、感謝、怒りや責め心をすぐに手放す実践により、自分の不自然な心が大病を招いたことに気づき、健康を取り戻されたということです。
88歳を迎えた父への恩返し

現在88歳の米寿を迎えられたお父様。お母様は昨年脳出血で倒れられ、現在は車椅子での生活を余儀なくされています。今井氏は深い親孝行の思いから、毎月のように金沢を訪れ、愛するご両親のお顔を拝見しに帰られています。
先月の米寿のお祝いでは、家族全員が心を込めて集まり祝福。その感動的な場で、実家の会社の代表を今井氏が引き継ぐことが正式に決まりました。50年以上お父様が守り続けてきた土地の活用についても、奇跡的にちょうど昨日、新たな賃借人との契約が前進したという天からの贈り物のような朗報が届いたそうです。
6月の帰省時、一人静かに墓参りをしながら墓石を心を込めて磨き清掃していた時、これまでの人生で何度もお父様の言葉に魂を救われてきたことへの深い感謝があふれ、高齢になられたご両親を思うと、自然と感謝の涙が溢れ出たと、声を震わせながら振り返られました。
純粋倫理が教える実践の道
今井氏は講話の中で、純粋倫理の素晴らしさを確信を持って語られました。「勤労歓喜」として仕事も倫理の役職も喜んで受け、利他精神で真剣にチャレンジすること。「明朗」として明るい人、徳のある人に自然と人やお金が集まること。「信成万事」として本当に信じれば必ずその通りになること。
これらの教えは単なる精神論ではなく、実際の経営にも大きな変化をもたらすと力強く語られました。「人やお金を集める経営よりも、人もお金も集まる儲かる経営を目指している」という言葉には、実践者としての確信が込められていました。
『本と繋がる』ことの意味
今回のテーマである『本と繋がる』について、今井氏は「反始慎終」という倫理の深遠な教えを通して説明されました。これはご両親、職親、上司など、自分の根本となる存在とのつながりを心から大切にすることを意味しています。
今井氏にとって、ご両親は文字通り人生の「本」となる尊い存在でした。倫理法人会との運命的な出会いも、公認会計士への険しい道のりも、困難な時の精神的な支えも、すべてご両親という「本」があったからこそ得られた恵みです。私たちも、自分の人生を支えてくれる「本」との繋がりを見つめ直すことが、どれほど大切でしょうか。
一歩踏み出すきっかけに

今井氏の心を揺さぶる講話から学ばせていただいたのは、人とのつながりの持つ計り知れない力、そして純粋倫理の実践がもたらす魂の変革です。特にご両親という「本」との関係は、私たちの人生の基盤となる最も神聖なつながりかもしれません。
困難な時こそ、支えてくれる人とのつながりに心から目を向け、感謝の気持ちを胸に歩んでいく大切さを、魂に響く言葉で教えていただきました。湯島倫理法人会のモーニングセミナーは、そんな温かいつながりと深い学びが生まれる聖なる場所です。ぜひ一度、私たちと共に『本と繋がる』感動の学びの時間を過ごしてみませんか?
経営者同士が温かい言葉で支え合い、共に成長する場を提供しています。
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